「クルマを売る」と言っても、知りたいことはたくさんあるはず。頻繁に行うことではないので、何からはじめて良いのかわからない人が大半でしょう。
この記事では、クルマを売るために必要な情報を、わかりやすくご紹介しています。まずは、流れをしっかり頭に入れることが大切です。
選ぶ方法によって、売却額が数十万円も変わることがあるので、全ての方法を正しく理解しておくことが必要です。この記事を最後まで読めば、損せず最も賢い方法でクルマを売るための知識が身についているでしょう。
クルマを手放そうと思った時、まずはどんな方法を使って売却するのかを決めることになります。クルマを売る方法は、大きく以下の3つがあります。
それぞれ特徴や売却額が異なるので、損をしないためにもしっかり把握しておきましょう。
1.ディーラー下取り
最もポピュラーな方法が、ディーラーの下取りを利用すること。ディーラーは新車を販売するところですが、クルマの下取りも行っています。ディーラーがクルマを下取りする最大の理由が「買い替え時の手間削減」ということ。
今まで乗っていたクルマを手放してから新車購入となると、手続きが多く買い替えが思うように進まないのです。そこでディーラーがクルマを下取りすることで、手間なくクルマを買い換えることが可能になります。
これはディーラー下取りを利用する最大のメリットですが、デメリットもあります。それは、売却額が安くなってしまうこと。ディーラーは中古車売買を本業にしていないので、下取りはあくまで新車販売促進の一環に過ぎません。
下取りしたクルマはディーラーの代車になるか、業者オークションと呼ばれる競りに出品されます。自社で中古車を販売するわけではないので、あまり高値を提示できないのです。
2.車買取店
ガリバーやビッグモーターに代表される「車買取店」と呼ばれる店が多数あります。自社で中古車販売を手掛けていることが多く、商品仕入れのために買取を行っているのです。
中古車売買を本業にしているため、ディーラーの下取りよりも売却額が高いという特徴があります。買い取ったクルマは自社で再販するため、高く売れるクルマをしっかり把握しています。そのため、人気のオプションが付いている場合などは、積極的にプラス査定を行ってくれるのです。
買取店というのは、カンタンに分類すると以下の2種類があります。
中古車販売を行わない買取店というのは、買い取った車を業者オークションという競りに出品します。これは、全国の中古車販売店が商品仕入れに使うオークションです。業者オークションには、全国の買取店やディーラーの下取り車が出品されています。
オークションには当然、出品料等の手数料がかかるため、買取価格はその手数料分を考慮しなければいけません。こうした事情があるため、買取価格は中古車販売を行う買取店より低くなってしまうのです。
自社で中古車販売を行う買取店は、仕入れたクルマに利益を載せて販売するのが主流です。オークション手数料がかからない分、買取価格を高くしても利益が出せるのです。クルマを売る時は、自社で中古車販売を行っている買取店を積極的に選ぶと良いでしょう。
3.個人間売買
クルマを売るのは、ヤフオクやメルカリというオークションサイトや、ガリバーフリマ等のサービスを使った、個人間売買という方法もあります。クルマの所有者が自ら出品するため、好きな金額で売ることができます。
一般的に、クルマの買取価格は「市場価格−手数料等−業者の利益」となっています。中古車として販売されている価格には、オークション手数料や業者の利益分が上乗せされているのです。
しかし個人間売買なら、市場価格で売却が可能。購入者からしたら、同じ金額なので何も違いがないのです。
これが、個人間売買ならクルマが高く売れる理由です。しかし、個人間売買はあまりおすすめできません。
個人間売買で最大のデメリットと言われているのが「売買に関するトラブルの多さ」です。中古車なので不具合が生じることがあり、そうした時に対応を迫られることが多々あるのです。
また名義変更や売買価格のやり取りでトラブルが起きることもあり、全ての手続きがスムーズに行われるとは限りません。中古車販売店で売られているクルマは、自社工場で整備されているものがほとんど。また買取店が査定時に不具合をチェックしているため、品質には十分な裏付けがあるのです。
しかし、個人間売買となると素人が判断するしかなく、後々故障や修復歴が発覚することがあるのです。こうしたリスクを完全に避けられる自信がないなら、個人間売買はやめた方が良いでしょう。高く売れる分、背負うリスクが高くなるのが個人間売買なのです。
クルマを売る方法を知った時、結局どこに売るのが一番いいのかと思った人もいるはず。そこで本章では、クルマを売る時に迷ったらどこにすべきかをご紹介します。個人間売買については、トラブルが多いため本記事では取り扱いません。
・ディーラー下取りが向いてる人
前章でご紹介した通り、ディーラー下取りは手間がかからない点が最大のメリットです。そのため、売却額よりも面倒がないことを優先したい人におすすめ。
ディーラー下取りは、新車購入の際にしか使えません。クルマの買い替えで、今まで乗っていたクルマを手放したい人のサービスと言えます。新車を購入するためには様々な手続きが必要なので、車売却まで手が回らないという人もいるでしょう。
そうした人のために、ディーラーが新車購入手続きと並行し、車売却をサポートしてくれます。お金のことはともかく、とにかく買い替えの手間を省きたいという人におすすめします。
・車買取店が向いている人
車買取店のメリットは、ディーラー下取りよりも高く売れる点です。そのため、多少の手間はかかっても高く売りたいという人におすすめ。手間がかかると言っても、基本的な手続きは全て買取店のスタッフがサポートしてくれます。
また新車購入時に限らず利用できるため、ただクルマを手放したいという人にも向いています。また、買取店は複数で査定額を競わせると、さらに売却額が高くなるのでおすすめです。
下取りと買取の違いについては「車下取りは安いって本当?車買取との違いは?」で詳しく解説しています。
複数の買取店を競わせるなら、車一括査定というサービスがおすすめ。これは、専用のサイトから1度申し込みをすれば、複数の買取店に対し査定依頼をしてくれるというもの。
その後は各買取店から電話がかかってくるので、空いている日を指定して査定を受けます。複数の買取店が査定をすれば、当然価格競争が起きます。「A社よりB社の方が高かった」と交渉すれば、買取価格はどんどん上がります。
最終的に、残った1社の査定価格を見て、満足すれば売却するだけ。手間はかかりますが、クルマを高く売りたいと思っている人にはピッタリなサービスです。
車一括査定はいくつかありますが、中でもオススメなのが「カーセンサー」です。
車一括査定のオススメについては「【2022年最新】車一括査定のおすすめランキング決定版!6サイトを徹底比較」をご確認ください。
「どうせクルマを売るなら、高く買い取ってほしい」と思うのは、当たり前のことです。急いで手放すことを考えていないなら、これからご紹介する「クルマを売るベストタイミング」を狙うのも良いでしょう。
クルマを売るタイミングとして適しているのは、以下の4つです。
実は、クルマを売るタイミングは年中あるのです。これからご紹介することをしっかり頭に入れ、損をしないタイミングで売却しましょう。
・3月中
なぜ3月なのかというと、自動車税が大きく関係しています。自動車税というのは、毎年4月1日時点の所有者に対して課税されるもの。つまり、4月以降に手放すと自動車税の納付義務が発生してしまうのです。自動車税は軽自動車なら10,800円、普通車は3~11万円ほどの金額です。
5月31日までに納付しなければいけないので、経済的な負担は大きいはず。そこで、もし乗る予定がないなら、3月中に売ってしまうことをおすすめします。
・1~2月、7~8月
3月と9月は、クルマがよく売れる時期と言われています。3月は新生活や転勤などで、クルマが必要な人が増えるから。9月は、中古車販売店の決算月だからというのが理由です。
それを見越して、中古車販売店は事前に在庫を仕入れます。そのため、1~2月、7~8月はクルマが高く売れるのです。一般的に、クルマは買い取ったあとに一定期間在庫になることを見越して、少し安く買い取ります。
しかし、この時期は仕入れたらすぐに売れるため、在庫リスクが少ないのです。その分高く買い取ることができるというのが、クルマが高く売れる理由です。
・モデルチェンジ前
今乗っているクルマが現行車なら、モデルチェンジ前もクルマを売るタイミングです。モデルチェンジ後、今までのモデルは旧型となり、相場が大きく下がります。相場が下がれば買取価格も下がるので、売却額は低くなってしまいます。
特に最近のクルマは、モデルチェンジで安全装備が大きく進化するため、この傾向が顕著です。1~2年ごとに行われる「マイナーチェンジ」というものは、それほど相場に大きな影響を与えません。
しかし、3~4年に1度行われる「ビッグマイナーチェンジ」と呼ばれるものは、内外装が大きく変わることから、相場への影響が大きいと言われています。そして5~10年に1度行われる「フルモデルチェンジ」と呼ばれるものは、クルマの骨格部分から刷新されるケースがほとんど。
以前のモデルは完全な旧型となってしまうため、相場の影響はかなり大きくなります。フルモデルチェンジを控えているクルマに乗っている場合、早めに売却することをおすすめします。
・10年または10万km前
今ではそんなことはありませんが、一昔前の日本車は「10年または10万kmが寿命」と言われていました。その名残があるため、このタイミングは相場が下落すると言われているのです。
日本の法律では、新車登録から13年が経過していると、自動車税が高くなります。そのため、10年を超えたクルマを積極的に選ぶ人はあまりいないのです。
また10万kmを超えている場合、今後のメンテナンス費用を考えると、購入を検討する人は少なくなります。こうしたネガティブイメージが、相場を下げる原因となっているのです。
古いクルマを高く売る方法については「ボロボロ10年落ち・20年落ちのクルマを高く売るには?廃車にするしかない?」をご確認ください。
クルマを高く売るためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
・洗車をしておく
洗車をしておくとプラス査定になると紹介されていることがありますが、実際はプラスになることはありません。しかし、洗車をしていないと、正確な査定ができずにマイナス査定となる可能性があるのです。
査定時は傷や凹みの状態を確認するのですが、洗車していないとクルマの状態を正しく判断できません。そのため「傷や凹みがあるだろう」という憶測で、マイナス査定とされてしまうのです。正確な査定を受けるためには、洗車をしておく必要があるのです。
・内装を綺麗にしておく
洗車と同じ理由で、内装も綺麗にしておきましょう。物が散乱していると、査定員は無理にどかすことはできません。それにより、内装の状態が正しく判断できず、マイナス査定となる可能性があります。必要ないものは査定前に出しておき、軽く掃除機をかけると良いでしょう。
・パーツは純正品にしておく
ディーラーの下取りを利用する場合は特に重要なことが、純正パーツを用意しておくこと。クルマを純正で乗っている人は問題ありませんが、購入後に社外品パーツを取り付けた人は要注意です。
買取店の場合、取り付けられているパーツが人気のものなら、プラス査定になるケースがありますが、ディーラーではマイナス査定となります。クルマは純正状態が一番高評価となるため、社外品パーツはマイナス査定となってしまう可能性があるのです。
・傷や凹みは直さない
傷や凹みを直すためには、数万円~数十万円の費用が発生します。しかし、直したところでプラス査定になることはありません。そのため、修理代を回収することはできないのです。
逆に、傷や凹みをそのままにして査定してもらった場合、減額は数万円程度で済むことがほとんど。ディーラーや買取店は、自社工場で安価に修理ができるので、あまり大きな減額はしません。そのため、そのままの状態で売却した方が良いのです。
・車検は通さない
車検は、通すために数万円ほどかかります。しかし査定に出した場合、車検の残りが丸々2年あったとしても、プラスになるのは3~7万円程度。車検にかかる費用を考えたら、通して売るメリットがありません。
しかし、車検が切れてからだと自走できなくなるため、車検切れの前に売るようにしましょう。
・複数社で査定価格を競わせる
買取店は複数社を競わせることで、買取価格がどんどん上がっていきます。1つの店舗で査定を受けるだけだと、最高価格が提示されることはありません。
競争をさせることで、限界ギリギリの価格まで引き上げることができます。自分で複数の買取店を回るのは手間と時間がかかるので、車一括査定を利用しましょう。1度の申し込みで、複数社に査定依頼ができます。
買取価格が数十万変わってくることもあるので、クルマを少しでも高く売るなら、上記でご紹介した内容は積極的に実践しましょう。
車一括査定はいくつかありますが、中でもオススメなのが「カーセンサー」です。
車一括査定のオススメについては「【2022年最新】車一括査定のおすすめランキング決定版!6サイトを徹底比較」をご確認ください。
クルマを売る流れをカンタンにご紹介していきます。
1.必要書類の用意
クルマを売るためには、様々な書類が必要になります。ディーラーや買取店で詳しく教えてくれますが、ここでもカンタンにご紹介します。
普通車を売却する場合、以下の書類が必要です。
車検証や自動車リサイクル券、自賠責保険証明書は、ひとまとめにして助手席のダッシュボードにしまわれていることがほとんどです。印鑑登録証明書は最寄りの役所で交付可能なので、実印とセットで用意しておくと手続きがスムーズに行えます。
軽自動車を売却する場合、以下の書類が必要です。
軽自動車も、車検証などは助手席のダッシュボードにしまわれているケースが大半です。軽自動車税納税証明というのは、自動車税を納めた証明書です。納付書にコンビニや金融機関の押印がされているものを用意しておきましょう。
2.売却先を選ぶ
必要書類を用意したら、本記事でご紹介していることを参考に、売却先を選びましょう。手間なくディーラー下取りを利用するのか、売却額を重視して買取店で売るのか決めておきましょう。
ディーラー下取りなら、新車を購入する店を利用すれば問題ありません。買取店を利用するなら、複数社を競わせるなどの工夫をしましょう。
3.査定を受ける
ディーラー下取り、買取店のどちらでも、査定を受けることになります。査定の前には、前章でご紹介した洗車や掃除などを行っておきましょう。査定は30分~1時間で終わり、その後は価格の交渉に入ります。納得できる金額になったら、そのまま売買契約を結びます。
4.売却手続き
売買契約を結んだら、買取店の場合はその場でクルマを置いて帰ることになります。最寄り駅まで送ってくれることがほとんどなので、荷物をまとめてクルマを引き渡しましょう。
その後、郵送等で書類をやり取りします。ディーラーの場合、新車が納車されるまでクルマに乗り続けることが可能。書類のやり取りも、新車購入手続きと並行して行います。
5.売却代金の振り込み
買取店でクルマを売った場合、書類を送った後に売却額の振り込みがあります。2~3営業日で振り込まれることが多く、休日を挟むと5日ほど経ってしまうこともあります。振り込みを確認したら、クルマを売る流れは全て終了です。
ディーラー下取りの場合、新車を引き取る際に、今まで乗っていたクルマを置いて帰ります。売却額は新車購入代金から引かれているので、基本的にディーラーからお金が振り込まれることはありません。
この記事では、クルマを売る流れをご紹介しました。数年に一度のイベントなので、不安なことはこの記事を読んで解決しておきましょう。クルマを売る先は、ディーラーか買取店と覚えておけば問題ありません。
ディーラーの場合は、新車購入時に利用できる下取りを利用することになります。買取店を利用するなら、複数社を競わせてより高く売ることをおすすめします。車一括査定というサービスを使えば、カンタンに複数社へ査定依頼が可能。少しだけ手間はかかりますが、クルマを高く売りたいのであれば利用をおすすめします。
>>オススメの車一括査定:カーセンサーはコチラ
車売却というのは、自分にとっては慣れない作業かもしれませんが、ディーラーや買取店のスタッフは日常茶飯事です。わからないことは何でも質問できるので、安心してクルマを売りましょう。
(文:石川 貴裕)
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