ホームアシスタントは、2016年10月の「CEATEC JAPAN 2016」で初めて公開された。シャープブースには多くの人が集まったほか、ニュース番組などでも取り上げられたのは記憶に新しい。
ホームアシスタントは、様々な家電機器と赤外線や無線LANを通じて連携。同時に、音声でコミュニケーションを図れるのが特徴だ。クラウドによって、シャープのAIoT(AI+IoT)サービスに接続され、同サービスで提供されるビッグデータ解析、シナリオ対話、機械学習、音声認識、音声発話などのAI機能を活用し、音声によるコミュニケーションを実現する。
シャープでは、すでに家電製品に、音声対話機能を搭載してきた経緯がある。
2012年に発売したロボット家電「COCOROBO(ココロボ) RX-V100」は、同社独自のココロエンジンでユーザーと対話しながら掃除をする機能を搭載。「掃除をして」だけでなく、「きれいにして」という表現でも、その言葉を理解して掃除を始めることができた。
2016年9月に発売した「ヘルシオ AX-XW300」では、「献立相談」機能を搭載。AIとクラウドの連携により、食材や天候、好みなどをベースに、1000件のメニューから最適な献立を提案。さらに、家庭の嗜好や最近の調理履歴を学習して、献立を提案したり、食材やジャンルに偏りがある場合はバランスを考えたメニューを提案したりする。
対話できるロボット掃除機「COCOROBO(ココロボ)」AIを搭載し献立を相談できる「ヘルシオ AX-XW300」シャープIoT通信事業本部IoTクラウド事業部プロダクトマーケティング部の阪本実雄部長だが、シャープの阪本部長は、これらの家電製品に搭載される対話機能と、ホームアシスタントで実現される対話機能とは、基本的な考え方が異なるという。
「それぞれの家電製品に搭載される対話機能は、その製品が担当するエリアだけを対象にしています。ヘルシオであれば調理、ココロボであれば掃除という守備範囲での対話に限定されている。では、これらの家電製品の中から、対話機能を取り出したら何ができるのか。様々なカテゴリーの家電と結びついたときに、対話を通じて、どんなことができるのか。それが、ホームアシスタントの基本的な考え方」だとする。
その一方で、シャープは、ロボット電話「RoBoHoN(ロボホン)」を発売している。これも対話が可能なロボットである。同製品を取り扱う事業部の名称が、コミュニケーションロボット事業部であることからもわかるように、通話や会話を通じたコミュニケーションを主体とした製品と位置づけている。
音声対話技術などを搭載したモバイル型ロボット電話「RoBoHoN(ロボホン)」だが、ロボットによるコミュニケーションという意味でも、ホームアシスタントとロボホンとは基本的な考え方が異なるという。
「ロボホンとの比較という意味では、ホームアシスタントは、人とのコミュニケーションだけでなく、家電とのコミュニケーションまでをカバーする製品。それによって、人をアシストし、家電をアシストすることになる」とする。
「今日はとても寒かったよ」と話しかければ、「わかりました。いつもより強めに暖めますね」と、自然な対話をしながらエアコンを起動する例えばホームアシスタントでは、帰宅した際に、「エアコンをつけて」と言わなくても、「今日はとても寒かったよ」と話しかければ、その言葉を理解して、「わかりました。いつもより強めに暖めますね」と、自然な対話をしながらエアコンを起動する。単に家電を制御するという、家電とのコミュニケーションだけでなく、人との自然なコミュニケーションとを両立するからこそ実現できるものだといえる。このあたりはココロボで培ってきたノウハウを活用したものだといえる。
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