トヨタのコンパクトSUV「C-HR」。プリウスと同じハイブリッドと1.2Lガソリンダウンサイジングターボをラインナップした、都会派SUVです。一時期、SUV販売台数1位を獲得した人気モデルです。そんなC-HRを中古車で買うなら、どんなところに注意したら良いのか、おすすめグレードは何なのかについてお伝えします。
【この記事のポイント】✔ 一番推したい中古車のトヨタ「C-HR」は「GR SPORT」✔ 普段の足として乗るなら、ハイブリッドの「G」
トヨタ「C-HR」は、2016年12月から日本国内販売が開始された、コンパクトSUV。プラットフォーム(ボディの骨格部分などの基本構造物)はハイブリッドセダンのプリウスと同じです。エンジンは、プリウスと同じ1.8Lガソリン+電気モーターのハイブリッドと、1.2Lガソリンダウンサイジングターボの2タイプをラインナップしています。C-HRは、全長4.4mを切るコンパクトSUVで、スタイリッシュなデザインと低燃費がウリ。
そんなプリウスで、最もお買い得といえるモデルは「GR SPORT」。「GR」とは、トヨタのモータスポーツを担う「TOYOTA GAZOO Racing」の略称で、トヨタ車のスポーツ専門ブランドの名称でもあります。「GR SPORT」は、1.2Lガソリンターボのエントリーグレード「S-T」をベースに、GRがシャシーを強化するメンバーを追加するなどの手を加えた、スポーティーテイストあふれるモデルです。専用のバンパーなど、エクステリアにも手が入れられています。普通に「S-T」を買い、あとからパーツを買い足すよりもはるかに安く、装備も充実しているところもおすすめポイント。新車車両価格は最も高いグレードとなりますが、中古車なら手が届きやすくなります。なお、GT SPORTは、6速マニュアルも設定。走りにこだわる方は、今では珍しくなってしまったマニュアルで乗るのもおすすめです。(※GR SPORTには4WDの設定はありません)
GR SPORTのAT車の新車車両価格は、310万円、6速マニュアルが273.2万円。中古車価格帯は、213万〜284万円(2021年6月25日時点)となっています。
C-HRは、人気の高いモデルで、まだ一度もフルモデルチェンジがされていない比較的新しい車種であることから、中古車市場では相対的に高めな印象です。同一グレードの中古車でも、価格差が開いていることもあり、一概に特定の年式やグレードがお買い得といえる市場状況ではありません。C-HRの中古車は、用途に合わせてモデルタイプを探してみましょう。
この項では、C-HRの歴史を年表形式にまとめた後、モデルタイプ別のC-HRの中古車を紹介します。
2014年9月 パリモーターショーに「TOYOTA C-HR Concept」を出展
トヨタのデザインテーマ「キーンルック」を採用。このときは3ドアだった。
2015年9月 フランクフルトモーターショーに「TOYOTA C-HR Concept」を出展
パリモーターショー出展のコンセプトカーとは異なる5ドアを採用した。
この出展時の発表で、トヨタの「もっといいクルマづくり」の思想に基づく「TNGA」プラットフォームが採用されることと、2016年3月開催のジュネーブモーターショーで市販型プロトタイプの出展をすることを予告した。
2016年3月 ジュネーブモーターショーで市販型「C-HR」を世界初披露。日本では2016年内に発売となることも発表された。
画像は欧州仕様
2016年6月 それまで公開されていなかった、C-HRのインテリア・デザインをイタリア・ミラノで開催されたメディア向けイベントで初披露した。
欧州仕様のインテリア
2016年9月28日 日本仕様のC-HRの概要が初公開される。同年11月上旬からウェブで先行商談予約受付を開始することも発表。コンセプトモデル公開時より、日本国内でも高い人気と注目を集めていたことから、あまり例がないウェブ先行商談予約が実施された。
初公開された日本仕様のC-HR
グレード構成は、1.8Lハイブリッド(2WD)に「G」と「S」、1.2Lターボ(4WD)に「G-T」「S-T」の4グレードを設定、衝突回避支援システム「トヨタセーフティセンスP」などが採用されることが明らかになった。
2016年12月14日 C-HR 国内発売開始。車両価格は、252万〜291万円。プリウスに続く「TNGA 第2号車」となる。
発売当時のC-HR
2017年8月2日 好調な受注で、2017年上半期SUV新車販売台数1位を記録したことを発表、同日、C-HRにツートンボディーカラーを設定したことも発表された。
2017年11月2日 特別仕様車「LED Edition(LEDエディション)」を発売。LEDヘッドライト、LEDリアコンビネーションランプ、シーケンシャルウィンカー(流れるウィンカー)などを装備。全グレードにこの特別仕様車が設定された。車両価格は254万〜293万円。
2018年1月1日 C-HRが2017年1〜12月期のSUV新車販売台数1位を獲得したことを発表。
2018年5月7日 一部改良を実施。それまで4WDのみの設定だった1.2Lガソリンターボ車に2WDを追加、LEDヘッドライトとLEDシーケンシャルウィンカーを全車標準装備とした。
2018年12月3日 「G」グレードをベースにした2つの特別仕様車を追加設定し発売。ブラック系のインテリアでまとめた「Mode-Nero(モードネロ)」と、ブラウン系の「Mode-Bruno(モードブルーノ)」の2モデル。両方ともに全グレードに設定された。
G モードネロ
2019年10月18日 マイナーチェンジ。「GR SPORT」を追加設定。フロントバンパーの形状変更などエクステリアデザインが新しくなり、トヨタのモータスポーツブランド「GR」が手を加えた「GR SPORT」を追加した。また、1.2Lガソリンターボ・2WD車に6速MTを追加設定。キャビン内では、スマートフォンと連携する「ディスプレイオーディオ」や車載通信機DCMなどを全車に標準装備した。
GR SPORT
2020年8月4日 一部改良。予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」の機能を強化、衝突回避支援機能に夜間の歩行者検知と昼間の自転車検知を追加するなどを実施。キャビン内では、シートヒーターや電動ランバーサポート、ナノイーなどの快適装備を一部グレードに標準装備とした。また、7速マニュアルモードが付いた「Super CVT-i」を搭載した新グレード「S-T GR SPORT」を新たに追加した。さらに、特別仕様車「G モードネロ セーフティプラス」も設定し発売された。
● 普段の足として乗るなら「G」グレード 中古市場の相場160万〜320万円
マイナーチェンジ後の「G」
日常生活の足として乗ることが多い方には、ハイブリッドモデルの「G」グレードをおすすめします。ハイブリッドは信号が多い街中など、発進と停止を繰り返すことが多い状況での実燃費は特に有利です。また、モーターのパワーで、走りに余裕が生まれます。1.2Lターボとハイブリッドを比較すると、ハイブリッドのほうがパワーがあって運転しやすいという特徴もあります。
ハイブリッドモデルは2グレード構成でベースグレードは「S」、上級グレードは「G」となります。中古車市場では、同じ年式、同じ走行距離でも「G」より「S」のほうが高い価格をつけていることがあります。これは、ボディーカラーの違い、オプションの有無、下取り価格などさまざまな要因からくるものですので、中古車で探すなら、上級グレードで探したほうが無難です。また、Gをベースにした特別仕様車もいくつか出ています。これらもおすすめです。なお、ハイブリッドモデルは2WDの設定のみとなります。
● 冬場はスタッドレスタイヤに履き替える、という方なら、1.2Lガソリンターボ・4WD「G-Sグレード 中古市場の相場165万〜175万円
冬場はスタッドレスタイヤに必ず履き替えるといった環境にお住まいの方は、1.2Lガソリンターボに設定される4WD車をおすすめします。グレードはベースグレードの「S-T」と上級グレードの「G-T」の2タイプでハイブリッドモデルと同じ構成となっています。1.2Lガソリンターボ車も、ハイブリッド車の中古車市場状況と同じく、グレードの違いと中古車価格の違いが伴っていない状況がありますので、探すなら上級グレードの「G-S」をおすすめします。
● 走り好きなら6速マニュアル車 中古市場の相場213万〜327万円
2019年10月に、1.2Lガソリンターボモデルに、6速マニュアル車が追加設定されました。GR SPORTにもマニュアル車が設定されています。いまやマニュアル車は稀少な存在。C-HRの1.2Lガソリンターボは、そこまでハイパワーではないため、状況が許せば制限速度の範囲内で安全に全開加速を楽しむこともできます。走り好きなら選んでいただきたいモデルです。なお、マニュアル車は2WDのみの設定となります。
C-HRは、2016年のデビューと比較的新しい人気モデルです。中古車市場には豊富なタマ数が流通しています。中古車は、前オーナーがどんなカーライフを送っていたのか、どんな車の扱い方をしてきたのかわからないものですし、車の状態の良し悪しにバラツキがあります。
そこで、中古車選びで気をつけたいポイントは、保証の有無。C-HRは保証がついているタマをおすすめします。また、保証期間、保証走行距離が短いものの避けましょう。保証が薄い車は、故障リスク、部品交換リスクが高いと考えておいて間違いではありません。あとは、内装の状態、特にシートは要チェックです。
フルモデルチェンジ後の新型ヴェゼル
2021年にフルモデルチェンジを果たした、ホンダの人気コンパクトSUV。先代モデルはそろそろ中古車価格が下がっていきます。ヴェゼルもC-HRと同じシティ派スタイリッシュSUVですので、がっつりライバル。2021年6月25日時点の中古車価格帯は70万〜327万円、平均価格は約180万円、流通台数は3,700台ほどとなっています。
こちらもシティ派コンパクトSUV。CX-3もマニュアル車の設定があります。また、このクラスでは唯一のディーゼルエンジン車がラインナップしています。2021年6月25日時点の中古車価格帯は80万〜318万円、平均価格は約165万円、流通台数は1,100台ほどとなっています。
キックスは全モデル「e-POWER」を搭載した、シティ派ハイブリッド・コンパクトSUVです。モーターの胸のすく走りがウリです。2021年6月25日時点の中古車価格帯は205万〜320万円、平均価格は約258万円、流通台数は600台ほどとなっています。
では、中古車C-HRをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
2大中古車検索サイトの1つ、グーネット。1977年に「中古車情報通信」の名称で創刊された中古車検索雑誌から歴史が始まった老舗です。
グーネットは「グー鑑定」と呼ばれる、中古車を探している人に代わって、プロの鑑定士が中古車の車両状態を鑑定するサービスを提供。この鑑定士は第三者機関の「日本自動車鑑定協会(JAAA)」に所属。公正な鑑定が行われています。これで鑑定された中古車は、内外装、エンジンやトランスミッションといった機関、修復歴などの評価をまとめた「グー鑑定証」が与えられ、中古車情報ページの「グー鑑定」のアイコンから、その鑑定証を確認することができます。
また「ID車両」と呼ばれる中古車の品質を公正に証明するサービスも提供しています。「グー鑑定」と似ていますが、こちらはディーラー独自の基準で厳しいチェックを行った中古車の鑑定結果を「車両状態評価書」にまとめたものとなります。これは中古車情報ページの「ID車両」のアイコンから、その評価書を確認することができます。
「グー鑑定」や「ID車両」対象車は、全体の2割程度となっています。なお、非対象車は品質が良くないという意味ではありません。
さらに「グー保証」と呼ばれる、グーネット独自の中古車保証制度も提供しています。保証期間は国産車が最長3年で部品交換や修理から、移動中のキー閉じ込めなどのトラブル対応やレッカー移動などのロードサービスも全国24時間365日対応で付属(ロードサービスは自動車保険にも付いていることが多いですが)。なお、グー保証対象車は全体の1割程度となっていますが、これが付いていなくても、トヨタ保証やディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は多くあります。
2021年6月25日時点、グーネットでは、C-HRの掲載件数は2,686件、価格帯は128万~440万円、平均価格は約212万円となっています。
2大中古車検索サイトのもう1つ、カーセンサー。1984年に中古車情報雑誌「カーセンサー」に創刊、今はグーネットと肩を並べる老舗中古車検索サイトとなっています。中古車掲載台数は、時期によって変動しますが約50万台。この台数はグーネットとほぼ同じで、掲載される中古車物件もほぼ同じとなります。これはほとんどの中古車販売店が、カーセンサーとグーネットの両方に掲載登録している背景があるためです。
カーセンサーは「カーセンサー認定」と呼ばれる中古車の品質鑑定情報を提供しています。鑑定は、第三者機関の「AIS」が行い、内外装の状態から目立たない小さなキズまで厳しくチェックし10段階評価しています。鑑定結果は、中古車情報ページから「車両品質評価書」で確認することができます。カーセンサー認定中古車は、全体の1割程度となりますが、この認定中古車でなくても、一般財団法人日本自動車査定協会の「V-CON」や、トヨタ、ディーラーの品質評価制度に基づく検査結果が掲載された中古車が無数にあります。
また「カーセンサーアフター保証」と呼ばれるカーセンサー独自の有償保証制度を提供。これは、エンジン、トランスミッションといった機関から細かい電装装備品まで全350項目を保証、走行距離無制限で最長3年まで加入できる手厚いものとなっています。カーセンサーもグーネット同様に、カーセンサー保証対象車でなくても、トヨタ保証、ディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は無数にあります。
カーセンサーのスマホアプリでは、写真からアリオンが検索できる機能を備えています。街で見かけて気になった車を撮影して、アプリからアップロードするとアリオンを特定、そのまま中古車情報を調べることができる便利な機能。中古車探しのライフハックツールとしてもおすすめです。
2021年6月25日時点、カーセンサーでは、C-HRの掲載件数は2,670件、価格帯は128万~388万円、平均価格は約208万円となっています。
C-HRは、グレード構成はシンプルに2タイプですが、ハイブリッドと1.2Lガソリンターボの2つのエンジンタイプ、トランスミッションはATと6速マニュアル、駆動方式は2WDと4WDと多彩、さまざまなカーライフスタイルに対応できるラインナップになっています。このあたり、さすがトヨタ、かゆいところに手が届くようにしています。
中古車市場価格は、人気のコンパクトSUVということと、まだ一度もフルモデルチェンジされていない比較的新しいモデルということから、全体的に高めな印象です。
A:C-HRは比較的新しいモデルで、特に「これを買うべき」と強くおすすめするものがない状況です。なお、C-HRはシンプルなグレード構成でありながら、さまざまなカーライフスタイルに合わせた選択が可能になっています。普段の足として乗るのにも最適なハイブリッドモデル、冬場はスタッドレスタイヤに履き替えるという方には4WD、走り好きな方にはマニュアル車をおすすめしています。筆者的にイチオシなのは「GR SPORT」。詳しくは本記事冒頭で紹介していますので、ぜひご覧ください。
A:C-HRは人気モデルでさまざまな年齢層、カーライフスタイルの方に選ばれています。このため、流通台数が多いですが、中古車では状態の良し悪しにバラツキがあります。そこで、注意したいのは、保証がついているかどうかです。保証がないものは、買ってすぐに修理や部品交換の費用を負担しなければならないリスクがあります。また、保証期間や走行距離にも注意。短い保証期間、走行距離ではリスクが高い車と判断してかまわないでしょう。
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサー、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車C-HRに乗ることができます。
※当記事記載の中古車価格等の情報は、2021年6月25日時点のものです。
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