展示会は、「プロローグ ~変わり続ける地球と生命~」からスタートし、「発見ラボラトリー ~科学が解き明かすララミディア大陸~」、「フィールドツアー ~少年トリケラトプスの冒険~」、「白亜紀体験シアター ~恐竜たちが生きる世界~」、「特別展示 『レイン』と『スタン』 ~LANE&STAN~」、「DinoScience Store ~物販コーナー~」、「フードコーナー 美食恐竜のキッチン」、「恐竜ワークショップ」という5つの展示エリアと3つのコーナーで構成されている。
展示の目玉のひとつが、ヒューストン自然科学博物館に展示されてから門外不出であった7×3m(全長×高さ)のトリケラトプスの実物化石「レイン」をはじめ、恐竜では世界で唯一脳腫瘍の痕跡が確認されたゴルゴサウルス「ルース」、トリケラトプスとティラノサウルスの幼体など、日本初展示を含む数多くの復元全身骨格が展示されている点だ。
骨格だけでなく、会場で上映される映像にも注目だ。「白亜紀体験シアター ~恐竜たちが生きる世界~」で上映されるコンテンツは、企画スタートから約2年かけ、最新の研究で明らかになった恐竜の体の造形から質感、動き方、さらには当時の植生に至るまで、イベントの企画・監修者でもある恐竜くんが徹底的に監修し、細部にまでこだわったソニーの映像制作技術力で精緻に再現したCG映像。横幅12m、高さ6.8mの大画面Crystal LEDに、圧倒的なリアリティと迫力での大画面に映し出される。
巨大サイズのCrystal LED。人間の大きさと比べると大画面であることが伝わってくる。今回のイベントを企画・監修した恐竜くん(田中真士氏)は、6歳の時に国立科学博物館の恐竜全身骨格を見たことをきっかけに恐竜ファンとなった。その後、米国のアルバータ大学で古生物学を学び、ヒューストン自然科学博物館の館長であるジョエル・バーチ氏、ブラックヒルズ地質学研究所のピーター・ラーソン氏とも交流を持ち、現在はサイエンスコミュニケーターとして活動している。
恐竜くん「従来の恐竜展示イベントでは、一緒の時代にはいない恐竜が隣に置かれるなど、時代を俯瞰した展示が行われてきました。今回はトリケラトプスのレインがどんな世界を目にしたのかにこだわって展示を行なっています」と恐竜くんは展示コンセプトを説明する。
イベントの重要なテーマとなっている「ララミディア大陸」は、白亜紀後期9,960万年前から6,600万年前頃に存在していた大陸。現在は北米大陸の一部となっているが、多くの恐竜化石が発見されている。ララミディア大陸でレインが生きた時代とはどんな時代だったのか、最新科学をもとに解き明かす展示となっている。
図の中央にある長細い大陸がララミディア大陸「トリケラトプスの化石は多数発掘されていますが、レインは全身の80%が発掘されています。ほぼ完全に近い骨格ですが、特に皮膚の化石を見た時には鳥肌が立つような興奮を覚えました。この生き物は確かに生きていたのだと感じることができたからです」と恐竜くんは話す。
確かに実物のレインの骨格は、国外はもちろん、アメリカ国内でも展示ツアーが行われたことはない。今回が初めてのヒューストン自然科学博物館以外での展示であり、展示会が終了すると、他の場所などの展示などは行われず、即、博物館に帰ることになっている。トリケラトプスファンにとっては実物の全身骨格を目にする数少ない機会だ。
こうした骨格標本をはじめ、レインの骨格をもとに現段階では化石が発見されていない子供のトリケラトプスを科学的視点から推測、再現したものも展示されている。恐竜くんは、「群れからはぐれた恐竜の子供という、絵本などでよくあるストーリーではありますが、科学の視点でリアルなストーリーとなっています」と説明する。あらゆる場所が科学の視点に基づいた展示となっていることが大きな特徴となっている。
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