岡山県津山市は7月15日、2021年3月末に営業を終了したレジャープールを中心としたスポーツ施設、グラスハウスの利活用事業(関連記事)について、市内でスポーツ施設を運営するglobeを優先交渉権者に選定したと発表した。同事業はPFI法に基づくRO(Rehabilitate Operate)+コンセッション(公共施設等運営権)方式で実施される。
グラスハウスは、都市型公園のグリーンヒルズ津山内にあり、JR津山駅の北側、約6kmの場所に位置する。敷地面積は約1万2000m2、延べ床面積は5276.15m2で、屋内外に複数のプールがあるほか、フィットネスルーム、レストランなどを備えていた。総ガラス張りのドームが特徴で、この特徴的な外観意匠を残すことを利活用の条件としていた。
[画像のクリックで拡大表示]グラスハウスの外観と内観(写真:津山市)globeの提案は、大きなガラスドームの空間を活用し、楽しく健康増進が行える施設に利活用するというもので、プール部分の9割を埋めて、アリーナ・トラックを含む運動スペースに改修する。グラスハウスを、リズム感を高めることで運動能力を向上させる新しいトレーニング手法、スポーツリズムトレーニングを導入した総合的な健康増進施設とし、主に子ども向けのプログラムを中心とした集客コンテンツを実施すると提案した。
[画像のクリックで拡大表示]施設改修のイメージ。プールを 9 割埋めて、アリーナ・トラックを含む運動スペースへ(資料提供:津山市)具体的なプログラムとしては、陸上競技、チアダンス、リズムを用いた運動教室、バスケットボール、バレーボール、野球などを挙げている。施設は、フィットネスプールとジャグジーは残し、そのほかのプール部分を、球技用のコートエリア、人口芝エリア、トラックエリア、ローラースケートエリアに改修する。このほか付帯提案として、グラスハウス内にカフェを併設し、運動と健康をテーマにした食を提供するほか、屋外にチェア、テーブル、パラソルを設置するなどグラスハウスとグリーンヒルズ全体を、市民が楽しめる空間にプロデュースする。
地域活性化については、施設内やグリーンヒルズ津山を活用したパーティー、駅伝大会、キャンプなどのイベント開催、国内外で普及しているスポーツリズムトレーニングの研修会や合宿の実施、プロアスリート・指導者と子供たち、市民の交流の場の創出などを提案。これらを通じて、津山圏域の子どもたちの心身の健全発達、市民の健康増進、市外・国内外からの運動参加者や観光客の増加による経済効果、地域活性化、市の魅力向上などを図るというものだ。
事業方式は、RO方式にコンセッション方式を組み合わせた形だ。事業者が施設の改修工事を行った後に、市が改修後の施設と周辺敷地を対象範囲とした公共施設等運営権を設定する。運営権の設定期間は10年間(延長オプションあり)で、改修工事に相当する金額は、サービス購入料として事業期間の10年間で平準化して事業者に支払われる。市は上限額として2億6500万円(消費税込み)を提示。一方、事業者が市に支払う運営権対価の最低額は、年額0円以上で事業者の提案によるが、運営開始3年目の年度末までは免除という条件が設定されていた。今後は、7月中に基本協定を締結後、詳細協議と実施契約を経て施設の改修工事に着手し、2022年春から夏ごろに運営を開始する予定だ。
市は、施設の管理運営能力と類似業務の実績に加え、これらの提案内容に対しては、グラスハウスの特徴を生かした提案であること、事業コンテンツの魅力や近隣の子供関連施設や学校との地域連携が見込まれる提案であること、および、市外・県外からの集客による域内消費の拡大や地域経済への貢献が見込まれることなどを評価した。
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