HDR出力にはXbox One S側とテレビ側の設定が必要。Xbox One Sの[出力]で、[ビデオの詳細設定]で、[テレビ接続自動検出]を選ぶだけでいい。テレビ側がHDR対応していれば、問題なく出力できる“はず”だ。
なお、HDR表示するテレビ側も設定が必要。今回はテレビに2014年12月発売の東芝「REGZA 50Z10X」を用意した。50Z10Xの場合、HDR信号が入力できるのが、HDMI3のみとなっている。しかし、残念ながらXbox One SからのHDR出力は行なわれず。出力解像度は4K(3,840×2,160ドット)だが、色空間がsRGBとなってしまい、うまく動作しなかった。どうやら、Xbox One SがZ10Xを10bit非対応テレビと認識しているようだ。
ビデオ出力の設定色空間は[標準]とPC[SRGB]のみ[4Kテレビ詳細]を見ると、10bit非対応と出てしまうちなみに、パナソニックのUHD BDプレーヤー「DMP-UB90」から、50Z10XにHDMI出力すると問題なく4K/HDRで表示されるため、テレビ側だけの問題ではないことは確認済みだ。
Xbox One SをREGZA 50Z10Xに接続。4K出力できたが、色空間はsRGBになってしまい、HDRでは視聴できなかったDMP-UB90では問題なく4K/HDR出力可能で、色空間はBT.2020、信号はYUVとなるどうやら、これはXbox One Sが“RGB出力しかできない”ことと、Z10Xの[HDMI 3]入力が10.2Gbpsまでの対応となることが要因のようだ。
通常のUHD BD/BDビデオ作品の色空間はYUV 4:2:0で収録され、プレーヤーからもYUV(YCbCr)出力される。10bit 4:2:2のYCbCrであれば、10.2GbpsのHDMIでも伝送できるため、50Z10XとDMP-UB90の組み合わせで、問題なくUHD BD(24p)の4K/HDR映像が再生できた。
しかしXbox One SはYCbCr出力がなく、RGB出力のみ。RGBの場合、クロマフォーマットが4:4:4となるので、4K/24p信号のHDMI伝送に18Gbpsの帯域が必要となる。しかし、Z10XのHDMI 3入力は10.2Gbpsまでなので、HDR出力ができない、というわけだ。余談だが、Z10Xの[HDMI1]は18Gbps対応なのだが、著作権保護技術のHDCP 2.2対応は[HDMI 3]のみのため、やはりXbox One SではHDRを体験できない。
2014年から2015年に発売された4Kテレビは、HDMI入力が10.2Gbpsまでの製品が多かった。また、'16年製のテレビでも全HDMI入力端子のみが18Gbps対応というものは少ない。そのため“HDR対応テレビ”でも“Xbox One SではHDR対応できない”製品は結構多そうだ。その点、DMP-UB90のような専用プレーヤーは安心感がある。
ゲームは、制作も出力もRGBが当たり前なので、こういう仕様なのだろうが、ビデオプレーヤーとしてはやや残念だ。できれば、Xbox One Sに、YCbCr出力を追加して欲しいものだ。
そこで、2016年発売のソニーBRAVIA「KJ-49X8300D」も用意し、Xbox One Sに接続した。X8300DのHDMI 2/3端子を[HDMI信号フォーマット]を高速伝送のための[拡張フォーマット]に変更し、Xbox One SからUHD BDを出力したところ、「マッドマックス 怒りのデスロード」、「エクソダス」などの作品でHDR再生が行なえた。ただし、なぜか「デッドプール」が再生できなかった。
BRAVIAのHDMI信号フォーマット設定で、[拡張フォーマット]を選択HDRで出力されたまた、X8300DのHDMI信号フォーマットを[標準フォーマット]に切り替えると、HDR出力できなくなった。やはり、Xbox One Sからの4K/HDR出力には18Gbpsが必要なのは間違いなさそうだ。
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