テレワークで注目を集める“一人になれる”空間
コロナ禍により生活のさまざまな部分が変化している。料金を支払い、デスクやイス、Wi-Fiなどが利用できるコワーキングスペースもその一つ。従来は、利用者の多くを起業家やフリーランスが占めていたが、コロナで働き方が大きく変わった今、会社員の姿も目立つようになった。リモートワークが一般化したことで、「自宅では集中できないから近場のコワーキングスペースを使いたい」「出先からオンライン会議に入るとき、ちょっと使える静かな場所がほしい」など、新たなニーズが顕著になったのだ。本記事では、伸びゆく需要に伴って誕生した新しいタイプのコワーキングスペースに着目する。●ショッピングセンター×コワーキングスペース!?未来屋書店 Bookmark Lounge より気軽に利用ができるといえば、本屋に併設されたコワーキングスペースはご存じだろうか。イオンを中心とした全国のショッピングセンターに出店している未来屋書店が運営する「Bookmark Lounge」。イオン海浜幕張店、八千代緑ヶ丘店で利用することができる。 コンセプトは「読書に、仕事に、勉強に。使い方はあなた次第。自分時間を大切にする人の、お気に入りの場所」。コンセプトを体現するようなデザインの店内では、雑誌や書籍を読むことはもちろん、勉強や仕事ができるスペースを確保している。また、Wi‐Fiやコピー機など基本的な設備に加え、フリードリンクや個室スペースも完備しているので、長時間、快適に過ごせる。利用料は海浜幕張店では、1時間500円、1日最大1580円。学割を使えば1時間300円、1日最大800円。八千代緑が丘店では、1時間300円、1日最大1000円。学割を使えば1時間250円、1日最大750円と、リーズナブルに利用できるのも嬉しい。 担当者に話を聞くと、「Bookmark Loungeをつくった背景には、ネット書店には提供できない価値を目指し、本を買うだけでなく、想定外の発見や体験のある場所にしたいとの想いがあった」という。たしかに、Bookmark Loungeにはセレンディピティ(素晴らしい偶然の出会い)の予感がする。いつもと違う場所で働くことで新しい視野が開ける。ふと見つけた本から企画のアイデアが生まれるーーそんな広がりを感じるのだ。 Bookmark Lounge内でも需要が高いのは、個室ブース「One-Bo」だという。利用者が情報漏洩のリスクやまわりの騒音を気にせずオンライン会議に集中できるよう導入したところ、1日に平均7名が利用をする人気エリアとなった。One-Boにはスマートガラス機能がついていてスイッチ1つでスモークをオンオフできるので、「必要に応じて外部からの視線をさえぎることができるのは便利」という声もある。Bookmark Loungeはクリエイティブな場所でありながら、ビジネス文脈に配慮したつくりになっている。 また、集中スペースも人気だという。学割の使えるBookmark Loungeは、学生からの支持も厚い。フリードリンクがあるので、カフェで勉強する感覚で利用することができる。 担当者によると、Bookmark Loungeはとても好評で、今後は店舗数拡大を検討しているという。「地域に馴染みあるイオンに開くことで、これまでコワーキングスペースを使う機会のなかったお客様にも安心して利用いただけたら嬉しい」(同担当者)。 企画のアイデアがほしいときは本棚に行ってみる、会議や面接で個室空間がほしいときは「One-Bo」や集中スペースを利用する。Bookmark Loungeのようにタスクに適した空間使いができるコワーキングスペースは、今後も増えていくだろう。 ●多様化するコワーキングスペースを楽しんで リモートワークが浸透し、働く場所の自由度が増した。これまではオフィス一択だった働く場所の選択肢は、自宅、カフェ、コワーキングスペースなどへと拡大している。そして、コワーキングスペースはリーズナブルに使える低価格帯のものから、遊び心を盛り込んだもの、贅沢な空間を用意した高価格帯のものまで選択肢が豊富になった。 この機会に、気分やタスクに応じて働く場所を変える、“コワーキングホッパー”な働き方を試してみるのもよいかもしれない。その際には、個室ブースが備わっているコワーキングスペースを選ぶなどして、リモート漏洩に気をつけながら、コロナ禍のワーキングライフを楽しんでいきたい。(プラザクリエイト One-Bo事業部部長 木村 漠)■執筆者プロフィール京都出身。Web開発の個人事業や会社設立などを経験したのち、2020年にプラザクリエイト入社。個室ブース「One-Bo」を通じてコロナ禍のオフィス課題解決を目指す。趣味はサウナ。
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