日本国内における一次産業 農業の最大の課題は高齢化と後継者不足ですが、南砺市も例外ではありません。生産性の向上や確実な農業技術の伝承、省人省力化への対応を加速化し課題解決する必要がありました。 となみ衛星通信テレビ様では、新たな試みに必要となるインフラ整備のため、まずローカル5G免許人となり、トレボー様の圃場を実証フィールドとして課題解決のための様々な取組をしています。①育成状況の見える化の実現 圃場にカメラを設置して、育成状況を収集・蓄積・AIを活用した分析②農業技術の伝承および経験の浅い従事者への支援スマートグラス付属のカメラで撮影し、経験の浅い農業従事者へMEC経由で映像を送信。口伝ではなく映像として伝達することで、経験者の豊富な知見・知識を広く正確に蓄積できる。③ 農業従事者の安全の確保 農業従事者の行動、体位、加速度などをセンサーで感知し、危険に応じてアラームで通知。 農業従事者の転倒や、炎天下での作業を想定した対策。④ 省力化、効率化無人のローバーを活用して、草刈りや農薬散布を行う。圃場カメラでは認識できない地面に近い細部の情報をカメラで収集・認識する。⑤鳥獣害対策 (IoZ様ソリューション) 圃場のカメラで鳥獣を検知、アラートをあげる。 撮影された鳥獣害の映像をAIで画像分析し、識別精度を向上させる。
トレボー株式会社様(富山県南砺市立野原西、代表取締役社長 中山安治 様 以下、トレボー様)は「本当に美味しいものを消費者へ」という理念のもと、現在は富山県南砺市の美しい自然の中、500haを超える広大な敷地でブドウづくりとワイナリーを運営されています。古くから受け継がれてきた伝統的な手法と、最新のIoT技術を組み合わせて『農業を科学する』スマート農業を推進され、平成31年2月には農林水産省総合化事業所(第6次産業化企業)へ認定されるなど、経営の多角化をめざし、付加価値の高い企業活動をされています。 トレボー様では、自社の敷地だけでなく近隣の遊休農地を借りてワイン用ブドウを栽培されており、点在した圃場に設置したカメラやセンサーのデータ伝送手段が必要でした。
夏は30℃を越え、冬は氷点下を下回る豪雪地帯という気温の変化が激しい環境、かつ配線が難しい厳しい環境で通信できる手段を探していたところ、屋外の過酷な環境に強くケーブルレスでWi-Fiエリアが構築できるPicoCELAにたどり着きました。 今回、SCSK様、となみ衛星通信テレビ様、IoZ様と連携し、バックホール回線にローカル5Gセルラー回線、圃場内をエンタープライズ無線バックホールによるWi-Fi網を活用することで上記の課題を克服したIoT農業管理ソリューションの実現に成功しました。 本ソリューションによって、広域Wi-Fi網の導入コストを抑制しながらセルラー回線費用をも抑制できる経済的なカメラ・センサーの管理を実現することが出来ました。本ソリューションがトレボー様が運営されているワイナリーに実際に導入されましたので以下に説明します。
今回導入されたPicoCELA製品は屋外用ソリューションPCWL-0410。本製品を中心にSCSK様、となみ衛星通信テレビ様とIoZ様のご協力によりソーラー蓄電池・監視カメラによる映像検知・PicoCELAの無線中継技術を組み合わせて、ケーブルレスな圃場監視ソリューションを実現しました。設置画像
また、今回Wi-Fiの元回線として利用したローカル5G基地局は、圃場から約700m離れている所もありましたが、PicoCELAはPCWL-0410と指向性アンテナを組み合わせることで圃場12haに対してたった5台で監視システムの通信基盤として安定したWi-Fi環境の提供に成功いたしました。ネットワーク構成図
カテゴリー
関連記事
ホット記事