【フランクフルト=深尾幸生】オランダのヘルスケア大手フィリップスが26日に発表した2021年4~6月期の決算は純利益が前年同期比27%減の1億5300万ユーロ(約200億円)だった。睡眠治療関連機器のリコールに関連する費用として2億5千万ユーロを引き当てたことが響いた。
売上高は6%増の42億3000万ユーロだった。電動歯ブラシなど消費者向け製品のパーソナルヘルス部門が28%増、診断・治療機器部門は10%増と、新型コロナウイルスの影響で減少した前年同期の反動が出た。
一方、呼吸器や遠隔診療システムなどを含むコネクテッドケア部門の売上高は11%減。リコール対象になった睡眠時無呼吸症候群の治療機器の受注を停止した影響が出た。
フィリップスは6月、一部の製品に使われている素材が経年劣化などで飛散し、患者が吸引することでアレルギーや発がん性が懸念されるとして睡眠ケア製品の「ドリームステーション」などを回収・修理すると発表していた。交換部品の増産を急いでいる。同社の睡眠関連製品の年間売上高は約11億ユーロでうち6割が治療機器だという。
1~3月期にも予防的措置として2億5000万ユーロを引き当てていた。同社はこの問題に関して複数の訴訟を抱えていることも明らかにした。フランス・ファン・ホーテン最高経営責任者(CEO)は電話会見で「訴訟の影響について結論を出すのは尚早だ。現在集めている追加の試験データに基づいて我々の立場を強く擁護するつもりだ」と述べた。
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