クルマを売りたいと思っても、何からはじめたらいいのかわからない人も意外と多いのではないでしょうか。普通に売るだけなら簡単かもしれませんが、できれば高く売りたいとなると話は変わってきます。
この記事は、上記の疑問が解決できる内容になっています。売却先の選び方はもちろん、クルマを高く売るコツや注意点もご紹介しています。
まず先に、クルマを売る流れについて簡単にご紹介します。クルマを売るのは、主に以下7つのステップに分かれています。
〇クルマを売る流れ7ステップ
上記の流れをすべて完結するためには、1〜2週間ほどかかります。売却先の選定や、必要書類の準備が遅れると、1ヶ月程度かかることも珍しくありません。
クルマの値段は日々下落するものなので、あまりクルマを売るのに時間をかけるのはおすすめしません。そこで、本記事で流れを予習して、スムーズに売却を進めましょう。次章から、各ステップごとにわかりやすく解説していきます。
クルマを売る時に最も大事なのが、どこに売却するのか決めること。とりあえずディーラーで売るという選択肢もありますが、高く売りたいならそれでは不十分です。
ここでは、クルマの売却方法としてよく挙げられる、以下3つの方法について解説していきます。
クルマの売却先3つ
下になるほどクルマを高く売れますが、トラブルの多さから「個人間売買」はあまりおすすめしません。その理由も、これからご紹介していきます。
新車に買い換える予定で、クルマの売却方法を決めていない場合は、ほとんどがディーラーの下取りを利用することになるはず。下取りというのは、クルマの売却額を新車購入代金から差し引くというものです。
たとえば、新車購入代金が300万円で、下取りが100万円だった場合、ディーラーに支払うのは200万円でいいのです。新車購入の手続きと、車売却の手続きが同時におこなえるのは最大のメリット。
しかし、売却額は安くなってしまうというデメリットがあるのです。また、新車購入には必ず値引きがあります。ディーラーで下取りを利用すると、売却額を高く見せかけるために、値引き額を減らされてしまうことがあります。
新車の値引きを少なくし、そこで浮いたお金を査定額に上乗せすることで、見かけ上の査定額を高額にできるのです。しかし、その内訳を知っているのはディーラーの営業マンだけなので、売却する側は知れません。
知らずのうちに、数字のマジックで誤魔化されてしまうのです。こうしたデメリットがあるため、「新車を安く買いたい」「クルマを高く売りたい」と考えている人には、ディーラーの下取りはおすすめしません。ディーラーの下取りは「とにかく新車購入と車売却の手間を最低限にしたい」と考える人のためのサービスです。
下取りについては「車下取りは安いって本当?車買取との違いは?」で解説しています。
ガリバーやビッグモーターに代表される、車買取業者に売却するという人が近年増えています。車買取に特化しているため、ディーラーよりも高く売れるというのが最大のメリットです。とくに最近は、自社で中古車販売を行う業者が増えています。そのため、「自社買取・自社販売」のサイクルを確立できるため、更に高価買取が期待できるのです。
こうした業者は昔に比べて増えてきているので、業者間の競争も期待できます。複数の買取業者を競わせることで、ディーラーよりも遥かに高くクルマを売ることが可能。しかし、同じような店が多すぎて、どこを選べばいいのかわからないというデメリットがあります。
買取店のオススメについては「【2022年最新版】車買取店の評判とおすすめランキング決定版」で解説しています。
最近はメルカリやヤフオクなどが登場し、個人でも簡単にクルマを売却できるようになりました。ディーラーや買取業者を使うと、どうしても各業者の利益となる「マージン」を取られてしまいます。
業者によっては20万円以上もマージンを取ることがあるので、最高価格でクルマを売却できません。一方、個人間売買なら、クルマを欲しがっているユーザーに直接売るので、中古販売価格が売却額となります。業者のマージンがない分、クルマを高く売れるのです。
しかし、個人間売買は、トラブルに巻き込まれるリスクが非常に高いというデメリットがあります。お金が支払われない以外にも、名義変更がされないなどの重大問題につながるトラブルが起きているのです。名義変更がされない状態で違反や事故を起こすと、責任を追求されてしまう可能性があります。
他にも、売却した後にクルマが故障し、修理代金をどちらが負担するのか揉めるケースもあるのです。また、フリマアプリなどで売却した場合、商品代金の10%程度が手数料として取られます。高額商品であればあるほど、手数料の額は増えてしまいます。
こうしたことを考えると、多少のマージンを取られたとしても、間に業者を挟んだほうが安心です。
売却先が決まったら、いよいよ査定の申込みをします。ディーラーで下取りをする場合は、新車購入の商談中に査定を依頼すれば問題ありません。ここでは、買取業者に査定をしてもらう時の申込方法をご紹介します。
買取業者のほとんどが、自社の店舗を構えています。全国展開している業者なら、近所に必ず1店舗はあるでしょう。こうした店舗にクルマを持ち込めば、その場で査定を受けられます。
しかし、それでは1社の査定しか受けられず、査定価格を比較できません。また大手買取業者に限らず、地域に根ざした買取業者の査定も受けてみた方が、意外と高く売れることもあるのです。そこで、買取業者選びは車一括査定を活用しましょう。
車一括査定を簡単に説明すると、複数の買取業者に対して査定依頼ができるサービスのこと。専用のサイトから郵便番号を入力すれば、近隣の買取店をリストアップしてくれます。
その中から、査定依頼したい業者を選び、申込みをするだけ。自分で業者選びをしなくて済む上、一度に複数の業者に査定依頼ができてしまいます。車一括査定を使えば、買取店選びで困ることがなくなるのです。
「クルマを高く売りたい!」と思っても、基準となる相場を知っておかなければ意味がありません。査定を受ける前に、インターネットを使っておおよその相場を調べておきましょう。
車査定相場を調べるサイトは「個人情報なしでだいたいの車査定相場をわかるシミュレーション7サイト」で解説しています。
車一括査定の中には、申し込んだ後に相場を表示してくれるサイトもあります。他にも、中古車検索サイトを使い、売りたいクルマと同条件の中古車を検索する方法もあります。その販売価格の平均から、20〜30万円ほど引いた金額が、大体の相場と考えられるのです。
相場はあくまで目安なので、複数の方法を使って調べておくことをおすすめします。すべての結果を見て、その平均値を知っておけば、それが相場価格と考えてもいいでしょう。
査定の申し込みは、たったこれだけで完了します。車一括査定を使った場合、申込みをした買取業者から電話がかかってきます。
車一括査定はいくつかありますが、中でもオススメなのが「カーセンサー」です。
車一括査定のオススメについては「【2022年最新】車一括査定のおすすめランキング決定版!6サイトを徹底比較」をご確認ください。
査定の申し込みをすると、買取業者から電話がきます。査定日の調整をする電話なので、空いている日を伝えて予定を決めましょう。車一括査定を使うと、申込み直後から大量の電話がかかってきます。
電話の回数を最低限で済ませるためには、その電話で予定を決めてしまうことです。予定が決まらないと、買取業者は何度も電話をかけてきます。また、複数の買取業者を集める場合、同日同時刻に設定してしまう方法もおすすめ。
すべての買取業者が一堂に会するので、競り合いが起きて査定額が上がるというメリットがあります。
車一括査定の電話対応については「車一括査定メールのみは可能?電話を少なくする方法はあり」で解説しています。
いよいよ査定当日。買取業者のスタッフがクルマを確認する作業が査定です。査定時間は1社ごとに30分〜1時間程度なので、時間に余裕を持って当日のスケジュールを組んでおきましょう。査定は買取業者の店舗で受けるケースと、査定員が自宅に来てくれるケースに分かれます。
どちらも無料で利用でき、結果が変わることはありません。複数の買取業者に査定を依頼した場合、各社の査定を受けることになります。同日同時刻にすべての買取業者を呼べば、全社合わせて30分〜1時間で査定は完了します。
しかし、別々に呼べば、その都度査定時間が発生するので注意しましょう。
クルマを高く売るなら、査定前には洗車をしておきましょう。洗車をすることで、ボディの傷や凹みはすべて分かりやすい状態になります。その方が、正確な査定を受けられるので、損をする可能性がなくなります。
ボディが汚れていると、傷や凹みが確認できず減額されてしまう可能性もあるのです。内装に関しても同じことが言えるので、車内清掃は欠かさず行いましょう。
洗車は外装の汚れを落とす程度で、ワックスがけなどはいりません。車内清掃も、掃除機がけ程度で構いません。
車査定額と洗車の関係については「車査定する前は洗車をした方が買取額アップにつながるのか?」で詳しく解説しています。
査定が完了し、結果に納得できればいよいよ契約です。契約書にサインをした後、売却のために書類を用意します。クルマを売るためには、以下の書類が必要です。
軽自動車の場合、実印と印鑑登録証明書は必要ありません。委任状と譲渡証明書に関しては、買取業者が用意してくれるため、必要事項に記入と押印をするだけです。
車売却の必要書類については「普通自動車・軽自動車を売るときの必要書類一覧と準備・再発行方法」で解説しています。
契約と車両の引き渡しは、買取業者によっては同日に行われることがあります。買取業者の多くが、査定日に車両だけ引き取り、その後郵送で書類のやり取りをする方式が採用されています。
そのため、査定と車両の引き渡しは同日である可能性があるのです。買取店で査定を受ける場合、クルマを引き渡したら帰宅は公共交通機関を利用することになります。車内の不要物は、自宅に置いておくといいでしょう。
車両と書類の引き渡しが済んだら、数日で売却金額が指定した銀行口座に振り込まれます。大手買取業者の多くが、2〜3営業日で振り込みをしてくれます。しかし、中小の買取業者の場合は最大1週間程度の時間を要することもあります。振り込み日がいつになるのか、契約時に確認しておきましょう。
ほとんどの買取業者が振り込みを採用しているので、現金買取はあまり行われていません。また、ディーラーの下取りを利用する場合、売却金額は新車購入代金から差し引かれます。
振り込みで現金を受け取ることはないので、その点は覚えておきましょう。稀なケースですが、下取り価格が新車購入代金を上回った場合だけ、振り込みで現金を受け取れることがあります。
以上が、7ステップのクルマを売る流れのご紹介です。基本的には、どの売却方法でも流れは同じです。
クルマを売る流れについて理解したら、なるべく高く売るコツを知っておきましょう。高く売れるタイミングや、すぐにできるコツなどをご紹介しているので、査定依頼前に読むことをおすすめします。
高く売れるクルマとは、中古車として人気が高いクルマを意味します。つまり、次に買う人が「欲しい!」と思えるクルマであることが大事なのです。
それには、走行距離と年式が大きく関係してきます。一般的に、走行距離が10万キロを超えたクルマは需要が少なくなります。そのため、10万キロを超える前に売却するのがおすすめ。同じく、年式が10年を超えると需要が減るので、その前に売却することも心がけましょう。
車査定と走行距離の関係については「車査定と走行距離の関係は?10万キロ以上の過走行車でも高く売る方法」で解説しています。
クルマは定期的にモデルチェンジを繰り返しているため、タイミングを見計らうことが大切です。モデルチェンジ後にクルマを売ると、旧モデルとして買取価格が下がってしまいます。
そこで、モデルチェンジ前にクルマを手放すのです。とくに最近は、モデルチェンジで安全運転支援システムが大幅にグレードアップします。そうすると、旧モデルの需要が少なくなってしまうのです。インターネットでモデルチェンジの情報は調べられるので、常に新モデルの動向は気にしておきましょう。
車内外の清掃は非常に大切です。綺麗なクルマであれば、査定員の心象も良くなります。それで査定価格がアップするわけではありませんが、いいイメージというのは大事です。
また、傷や凹み、内装の汚れを包み隠さず分かる状態にしておくことで、正確な査定を受けられるのです。汚れている状態のクルマは、正確な査定がおこなえません。結果として「後でクリーニングしたら傷や凹みが隠れているかもしれない」という評価になり、減額されてしまう可能性があるのです。
クルマは定期点検を受けると、メンテナンスノートというものに整備記録が残ります。これらは、そのクルマがどんなメンテナンスを受けてきたのかを示す、大事な書類となります。
メンテナンスノートがあることで、査定時に高評価となる可能性が高まります。そのため、必ず事前にメンテナンスノートの有無を確認しておきましょう。また、スペアキーなどの付属品も、査定時にはすべて揃えておくことをおすすめします。欠品はマイナス査定の原因となるので、そうしたリスクは少なくしておくことが大事です。
これらを守れば、査定員がしっかりクルマを確認できます。ムダなマイナス査定を防ぐことこそ、クルマをなるべく高く売る鍵となります。
クルマを売るにあたって、いくつかの疑問がある人は少なくないはずです。そこで、クルマを売る時に多くの人が疑問に感じることを、まとめてご紹介していきます。
傷や凹みは、直さずに売りましょう。これらは減額ポイントとなりますが、修理してから売却してもプラス査定とはなりません。減額される額は微々たるもので、修理代の方が高くつくケースが大半です。
買取業者のほとんどが、自社で整備工場を持っています。その工場にて格安で直せるため、傷や凹みはあまり大きな減額ポイントになりません。
車検を受けてから売っても、車検代をカバーすることはできません。車検が2年残った状態で売っても、車検代ほどのプラス査定とはならないのです。
これも、傷や凹みを直さず売った方がいい理由と同じです。車検も自社工場でできてしまうので、買取業者はあまり気にしないのです。ただし、車検が切れてからだと、自走できないので店舗への持ち込み査定が受けられなくなってしまいます。
車検切れの車査定については「車検切れのクルマを少しでも高く売る方法と準備しておくこと3選」で詳しく解説しています。
名義が自分以外になっている場合、クルマを売れません。必ず自分の名義に変更してから査定を受けましょう。名義がローン会社やディーラーになっている場合、ローンを完済しないと売却できません。
すでにローンを完済しているなら「所有権解除」という手続きが必要です。まだローン中であれば、査定申込時にその旨を伝えましょう。査定額がローン残債を上回れば、買取業者が必要な手続きを代行してくれるので、クルマを売れます。下回った場合、差額を自分で支払う必要があるため、ローン会社と相談することになります。
ローン残債がある車売却は「ローン残債があるクルマを売るにはどうすればいい?少しでも高く売るには?」で解説しています。
冒頭でもご紹介しましたが、クルマを売るのに必要な日数は1〜2週間程度。売買契約を結んでから、お金が振り込まれるまで2〜3日ほどかかります。これはすべてがスムーズに進んだ場合で、本記事でご紹介した7ステップのどこかでつまずけば、その分日数が延びてしまいます。
書類の準備に時間のかかるケースが多いので、事前に必要書類を用意しておくことをおすすめします。
この記事では、クルマを売る流れについてご紹介しました。クルマを売る時は、売却先を決めるのが一番時間もかかります。ただ、乗っているクルマが、軽自動車やミニバン、SUVならあまり苦労することはありません。
人気車種はどの買取業者も欲しがるので、高価買取が期待できます。しかし、スポーツカーなどの需要が少ないクルマや、古いクルマなどは買取業者選びが難航します。複数の買取業者に査定を依頼し、最も高く買い取ってくれるところを根気強く探す必要があるでしょう。買取業者によって査定額のバラつきがあるので、最低でも3〜5社の査定を受けるのがおすすめです。
これは、人気車種を売却する人も同じです。かかる手間を最小限にして、売れる額を最大限にしたい場合、車一括査定の利用がおすすめ。電話が多いなどのデメリットはありますが、少しの我慢と割り切れるなら、積極的に活用したいサービスです。
ナビゲーションリスト
クルマを売る流れは以下の7ステップ ステップ1.売却先を選ぶ ステップ2.査定の申し込みをする ステップ3.予定を調整する ステップ4.査定を受ける ステップ5.書類を用意する ステップ6.車両を引き渡す ステップ7.入金を確認する クルマを高く売るコツ クルマを売るときの疑問 まとめカテゴリー
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