FORZA STYLE
3年ほど前に知人の紹介で、世界の優れた音響機器を取り扱うオーディオシステムカンパニー「Timelode(タイムロード)」の平野至洋社長にお会いする機会がありました。そのとき、平野社長もイタリア好きだったことから話が弾み、おすすめしていただいたのが北イタリアを拠点とする老舗オーディオブランドの「PATHOS(パトス)」と「Chario(チャリオ)」でした。イタリアらしいクラシックモダンなオーディオセットの写真を見る初めて聞く名前だったのでネットで検索してみると、クラシックモダンともいえるイタリアらしいデザイン。ただ、すぐに部屋に置きたいと思ってもお値段はそれなりにしますから、まずは試聴してからと考えようと平野社長にお願いしてその機会を設けてもらったんです。そしたら一発でノックアウトですよ(笑)。過去にイタリア取材でオペラを鑑賞したことがあり、まさにあのときの記憶がまざまざと蘇ってくるようで……。平野社長に「干場さん、聴いたら泣きますよ」と冗談めかして言われていたのですが、聴いてみたら本当に涙がポロポロ(苦笑)。まるでそこが劇場であるかような臨場感があり、生声を聴いているみたいで泣けてしまったんですよね。自宅で、Andrea BocelliとSarah Brightmanの「Time To Say Goodbye」を聴きながらワインを飲んでいる自分の姿を想像しただけで失神&昇天ですよ。すぐにその場で、清水の舞台から飛び降りる思いで購入を決断し、平野社長にセッティングのお願いまでしてしまいました(苦笑)。つい最近、在日イタリア商工会議所の人たちに聞いたんですが、コロナの影響でイタリアでも高級オーディオ機器が売れているんですって。家中需要が高まっているのは、日本もイタリアも同じようで、家の中を明るくするインテリアやキッチングッズ、食材なども好調なんだそうです。暗くなりそうな世相のなかでも、イタリア人の明るく人生を楽しむ術は見習いたいものです。で、話を戻すと、PATHOSのアンプとCharioのスピーカーが実際に家に来たのは2年前。その感動たるや、言葉では言い表せないほどでした。それまでは、いいオーディオシステムって迫力のある重低音をウリにしたものだと思っていたのですが、これがすごいのは人の声の再現性。目を閉じて聴くと、心臓にドクンドクン響いてくるんです。そうすると、また目頭が熱くなってきて(苦笑)……聴き終わったあとに思わずスタンディングオベーションで「ブラボー!」と叫びながら拍手喝采していました(いや、マジですって)。*Photo:Ikuo Kubota(OWL)Text:Toshiaki Ishii
干場 義雅
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