2022年1月31日、ロックガレッジは、茨城西南広域消防本部と合同で、ドローン×AI×スマートグラスによる捜索支援システム「3rd-EYE」を活用した訓練形式の人命救助実証試験を実施したことを発表した。
同実証は茨城県DXイノベーション推進プロジェクト事業の採択を受けて実施したもので、同システムの実用化に向けた性能検証と利便性追求のための評価試験を行った。
現在全国の消防組織等では、捜索活動や被害状況の把握、人命救助活動にドローンを活用することを模索している。しかし、ドローンにより収集した情報の活用・伝達が十分にできているとはいえず、最新のデジタル技術が現場で有効利用されていない現状がある。こうした背景から同社は、一連の情報処理を自動化することで効率的な情報共有が可能な捜索活動支援システム「3rd-EYE」を開発した。
同システムはドローンで撮影した映像をAIがリアルタイム解析して捜索対象(人間)の位置を特定し、スマートグラスにその位置情報を空間表示する。これによりスマートグラスを装着した隊員は、今見ている景色のどこに捜索対象がいるのかを直感的に把握する。
【運用の流れ】①・② パイロットがドローンを飛行させる(手動または自動)、③ 指揮本部が映像、捜索結果、隊員位置を確認して指揮する、④ 捜索部隊が指示をもとに捜索・救助を行う指揮本部に設置されるタブレット端末にはすべての情報が集約され、ドローンのリアルタイム映像や人影検出結果地図の表示、人による検知結果のダブルチェック機能、隊員の現在位置・移動軌跡の表示機能を実装している。また、救助隊員のスマートグラスに目的地を指示するピン打ち機能により、救助隊員を目的地へ正確に誘導することができる。
地図には隊員の現在位置がリアルタイム表示されるので、別動隊の行動を常に把握可能。また、一度捜索を行った場所がわかるため、効率的に捜索できる。
指揮本部用タブレット画面(左)、隊員の位置・移動軌跡(右)実証試験では実用化版「3rd-EYE」を消防の捜索活動訓練に組み込んで使用。消防組織への複数回のヒアリングと実証実験の中で仕様と機能を最適化することで、これまでの指揮系統を保ちながら効率良く捜索活動を行えることを確認した。
指揮本部のタブレット端末には要救助者やその他の情報が集約され、訓練では「あと20メートル前方へ進め」など具体的な指示を出すことができた。
今後同社は、3rd-EYEの普及を進めるとともに、消防組織の活動をより便利に行うことができるよう改良を進めるとしている。
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