フォルクスワーゲンは12月16日、欧州向け新型『ゴルフ』(Volkswagen Golf)のインフォテインメントシステムをアップデートすると発表した。新型ゴルフの既納客も対象になる。
アップデートされたインフォテインメントシステムは、システムの起動後、音声コントロールやナビゲーションシステムが従来よりも速く利用できるようになる。
新しい音声コントロールは、乗員が「ハロー、フォルクスワーゲン」と呼びかけて起動する。自然言語を理解し、例えば、「寒い」と言えば、空調を最適にコントロール。「ベルリンの日本食レストランはどこにある?」と尋ねれば、ナビゲーションが案内してくれる。デジタルマイクのおかげで、ドライバーと乗員のどちらが話しているのかを認識する。これにより、乗員の着座位置に近いエアコンを作動させることもできる。
改良された音声コントロールにより、ナビゲーションシステムや、通話、空調などを音声で操作できる。理解率は大幅に向上し、約95%のレベルに達しているという。新しいソフトウェアは従来よりも少ないシステムインターフェースで対応できるため今後、ニュースや天気予報などのオンライン機能を簡単に統合できるという。
音声コントロールの応答と提案は、クラウドと車両にオフラインで保存されている情報の2つのソースから提供される。オンラインマッチングは認識率と結果の品質を向上させ、オフライン情報は地下駐車場などのモバイルネットワークがない場合でも利用できる。オンラインでもオフラインでも、応答と反応は従来よりも4倍速い、と自負する。サーバーでオンラインリクエストを処理する時間はおよそ0.5秒で、フィードバックは1秒以内に車両に届く。必要に応じて、関連するメニューが表示されているディスプレイに触れて、リクエストやコマンドを完了することもできる。
車載インフォテインメントのタッチスクリーンも改良される。ユーザーの指が画面から数cm以内に入ると、ハザードランプのスイッチの周囲のボタンが誤作動しないよう、無効化される。指が画面に触れるとすぐに、ボリュームと温度コントロールも誤作動しないように無効化される。
静電容量式ディスプレイ自体の制御に変更はない。特定の機能をアクティブにするには、軽いタッチで行う。さらに、赤外線近接センサーテクノロジーを新採用することにより、数cm離れた位置からのジェスチャー制御を可能にする。
MIB3(モジュラー・インフォテインメント・マトリックス)にも多くの改良が加えられる。ハードウェアの面では、より強力なシステムオンチップ(SoC)を導入する。中央処理装置(CPU)は、4つのコアに、グラフィックカードとオーディオ用のデジタルシグナルプロセッサで構成されている。新しいSoCは、約25%高い処理能力を持ち、グラフィックカードはパフォーマンスを3倍に向上させる。これにより、ナビゲーションシステムに目的地を入力すると、ルートは従来よりも速い5秒以内に表示されるという。
今回のアップデートは、新型ゴルフの既納客も対象になる。フォルクスワーゲンは2022年の前半から欧州の顧客に、サービスキャンペーンの一環として、ソフトウェアのアップデートを通知する。
顧客からのフィードバックは重要な役割を果たす。フォルクスワーゲンは、製品やサービスのさらなる開発に、顧客のフィードバックを生かしていく、としている。
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