音楽を聴こうと思ったら何を用意するか。だいたいの人はイヤホンを用意するはずだ。
それは筆者も同じで、最近は音楽を聴こうと思うとiPhoneでミュージックアプリを開き、ペアリング済みの完全ワイヤレスイヤホンを両耳に挿して音楽を再生ボタンを押すのが当たり前になっている。
が、この使い方もここ2年くらいの当たり前であり、少し前までは「スマホの電池がすぐ切れるから」とか「音楽再生中に通知音でさえぎられるのが嫌だから」と、音楽を聴く際にはiPadだったりウォークマンだったりと、なにがしかの専用プレイヤーを使っていた。
また、イヤホンも有線でつないでいたし、そのイヤホンもこだわりを持って「ケーブルが交換できる」「イヤーピースが交換できる」「ダイナミック型のドライバーが何基載っていて……」と、プレイヤーや聴きたい楽曲にあわせいろいろなイヤホンを取っ替え引っ替えしていた。
筆者に限らず、きっとそういうリスニングスタイルだった人は多いだろう。しかし一度でも完全ワイヤレスイヤホンのケーブルレスの使い心地だったり、スマートフォンでのストリーミング配信サービスの使い勝手にハマってしまうと、どんなに手元にいい専用プレイヤーやイヤホン、ケーブルがあっても、完全ワイヤレスイヤホンとスマホの組み合わせでいいやと思ってしまう。
少なくとも筆者はそうだ。ここ2年くらいは、iPhoneとApple Music、そして完全ワイヤレスイヤホンの組み合わせでしか音楽を聴いていない。
けれど、手元にある今までの音楽鑑賞環境は少しでもスマートフォン環境でも利用したい。
そこで今回は、ケーブル交換できるイヤホンを完全ワイヤレスイヤホン化できる「FiiO UTWS3」をご紹介したい。「FiiO UTWS3」は言ってしまえば、ケーブル交換できるイヤホンに、ケーブルの代わりにワイヤレストランスミッターを取り付けてしまおう、という製品だ。
完全ワイヤレスイヤホンが続々と出てくるようになる以前にも、iPhoneからイヤホン端子がなくなったiPhone 7以降くらいの頃に、ケーブル交換できるイヤホンをBluetooth対応させる製品として、ネックバンド式の同様のアダプターがいろいろなメーカーから発売されていた。それの完全ワイヤレス版をイメージしてもらえればいい。
今回購入したFiiO UTWS3は、MMCX端子に対応したイヤホンに取り付けることで完全ワイヤレスイヤホンとして利用ができる。
ほかに0.78mm2ピンのケーブルに交換できるイヤホンにも対応したバージョンも販売されているため、手持ちのイヤホンの端子を確認してから購入するといいだろう。
また、完全ワイヤレスイヤホンとしてスマートフォンと組み合わせるにあたり、嬉しい機能追加もできる。
FiiO UTWS3には片耳あたり2つのマイクが備わっているためハンズフリー通話に利用することもできる。
完全ワイヤレスイヤホンを使い始めると、何気ない通話にそのまま使えることが結構便利に感じるようになっていたので、お気に入りのイヤホンを完全ワイヤレスイヤホンとしてスマホと組み合わせて音楽を聴くだけでなく、最初から完全ワイヤレスのイヤホンと同じ使い勝手にできるのは、使い始めるとなかなか嬉しい機能だ。
持ち運びと充電についてもほかの完全ワイヤレスイヤホン同様に充電ケースに収納し行うようになっている。この充電ケースはFiiO UTWS3にイヤホンを取り付けた状態で収納できるようになっているのも嬉しい。
ただ、唯一弱点を挙げるとすればケースがとにかく大きい。今の時期はポケットに困らないのでいいのだが、夏場は入るポケットがなくFiiO UTWS3とお気に入りのイヤホンを持って出かけるときはカバンが必須になってしまったのは少し誤算だった。
またFiiO UTWS3はスマートフォン用の専用アプリも用意されている。左右のユニットに設けられたボタンの役割の変更やイコライザーの調整が可能だ。
コーデックも高音質な「aptX」にも対応しているし、Androidスマートフォンの対応機器との組み合わせであれば低遅延かつ、左右の音が途切れづらい「TWS+」にも対応するなど、音質や使い勝手の面でも最近の完全ワイヤレスイヤホンとして十分な機能を備えている。
流石に専用プレイヤーに有線接続で聴くのと比べれば音質は落ちてしまうが、今まで気に入っていた、しかしリスニングスタイルの変化で出番の減ってしまった高音質なイヤホンを活躍させられるのは、なかなか使っていて気持ちがいい。
筆者と同じように、こだわりのイヤホンを眠らせてしまっている人はFiiO UTWS3でスマートフォンと組み合わせての使用に活路を見出してみてはどうだろうか。
製品名 | 発売元 | 実売価格 |
---|---|---|
UTWS3 | FiiO | 9450円 |
カテゴリー
関連記事
ホット記事