【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 142
新しい年になりましたね。今年はどんな1年になるのかなと皆さん少なからず想像を膨らませていることだと思います。さまざまな期待や目標などを考えるとワクワクしますよね。そんなテンションが続くと良いのですが、新年のあいさつをして、お節をはじめとしたごちそうを食べ、ひと息つくと感じるのが、動きたくない、体が重だるい、やる気がしない、頭が働かない、仕事が始まるのがおっくうだなどの正月ボケの症状ではないでしょうか。
例年のことではあると思いますが、シャキッとして通常の生活に向けてそろそろ気合を入れ直したいところだと思います。ただ、年末年始と好きなものを飲み食いして、好きな時間に寝ていると体にはどうしても負荷がかかってしまうものです。さらに、そこへ冬の気候の特徴も影響を与え、正月ボケを後押ししてしまいます。そこで、今週は正月ボケを吹き飛ばしたい人のための食薬習慣を紹介します。
そろそろ仕事始めという人も多いのではないでしょうか。気持ち新たにやる気いっぱいで新しい年が充実するよう丁寧に過ごすことができたら嬉しいですよね。さて、さっそくですが昨年の疲れはとれましたか?もしくは、長期休暇で逆に生活リズムが変わりダルさを感じていませんか?お休みがあったのに逆に疲れている、ダルい、頭が働かない、やる気がしないなどのネガティブな気分になりやすいのもこの時期です。
昔から正月ボケという言葉があるのもうなずけますよね。体を動かすタイミングが減り、太陽の光を浴びる時間が減ることでセロトニンの減少によって心や睡眠の状態が安定しなくなったり、食べ過ぎで胃腸に負担がかかったり、飲みすぎで肝臓に負担がかかったり、連日の夜更かしで体の修復がうまくできなかったり、エアコンのもとに長時間いることで皮膚や口や鼻の粘膜が渇き肌荒れや喉の不調がでたりと、考えるだけで今の時期は不調につながる行動がてんこ盛りです。
そこで、今週は少しでも早く正月ボケから脱出できるように食薬習慣を紹介します。この正月ボケの状態を漢方では『気血両虚』『腎虚』と考えます。そこで、やる気をだすために『気血』を補い、今の時期弱る『腎』をサポートする食薬を紹介します。食べるとよい食材・メニューは、【キクラゲ入りスクランブルエッグ】です。
正月のおうちの中は、ごちそうの残り物や頂き物、初売りの特売品のお惣菜など食材であふれていることもあると思います。その影響もあり、暇さえあれば何か食べるということもありますよね。ただ、それは今、心と体が本当に欲しているものでしょうか。
もし今調子が良くないと感じている場合には、その食事では必要なものが補うことができていないかもしれません。そこで、今必要な栄養を補うことのできるキクラゲ入りスクランブルエッグがおすすめです。作り方は、想像通り。スクランブルエッグにキクラゲを加えるだけです。
年末年始の暴飲暴食で、体のお掃除に役立つ食物繊維が不足してしまっている人も多いかもしれません。さらに、日照時間が短い時期でもあるため、少し不規則な生活リズムになると日光に当たる機会が減ってしまうとビタミンDが不足します。そこで、食物繊維とビタミンDを同時にとることができる優秀食材がキクラゲです。『腎』の働きをサポートしてくれます。
体内時計やメンタルを整える働きのあるセロトニンの材料であるトリプトファンを多く含む『気血』を補う代表的な食材です。他にも冬に不足するビタミンDをはじめとして、粘膜を強くするビタミンA、血流を促すビタミンE、やる気の素となるビタミンB群やタンパク質など栄養がとにかく豊富です。甘辛く糖質や脂質が多めの保存食を食べる機会が増えるお正月ですが、手軽な食材、卵で体を動かす栄養を補充してみてはいかがでしょうか。
長期休暇明けは、手間のかかる料理というより簡単なもので体調を整えるようにすることが現実的ですよね。スクランブルエッグは、誰でも作ることのできる簡単メニューです。キクラゲは家にないというかたも多いかもしれませんが、この時期の体調管理に役立ち、乾物を選ぶと日持ちのする食材です。今週を機に常備食材に昇格させてもよさそうですね。
ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。
※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。
月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。
つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。
大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aikahttps://aika-inc.co.jp/
『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。購入はこちら
『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。
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