eスポーツに対する注目度の高まりなどもあって、ゲーミング関連のアクセサリー自体が人気となっている。なかでもゲーミングヘッドホンは趣味と実益を兼ねた便利アイテムとして大いに注目が集まっている。
というのも、ゲーミングヘッドホンにはチームを組んでFPSなどをプレーできるようにブームマイク(バーで口元まで伸ばされているマイク)を採用しているタイプが多いためだ。そしてこれはゲームだけでなく、オンラインミーティング(ウェブ会議)でも大いに役立ってくれるのだ。
オンラインミーティングでは一般的に、スマートフォンやパソコンの内蔵マイクを使用するのが一般的だ。一方で、普段使いの完全ワイヤレスイヤホンなど、Bluetoothヘッドセットを使用している人もいる。実はこれ、聴く側としては“相手の会話が聞き取りやすくなる”ものの、話す側としては、相手が聴き取りにくい声になっている場合があるのだ。
実はここが“聴き取りにくさ”につながっている場合がある。具体的には3つのウイークポイントある。
第1にマイクの位置だ。完全ワイヤレスイヤホンは、口からかなり離れた位置にマイクが内蔵されているため、インテリジェントなデジタル調整を行っていても、収音の観点で厳しさを抱えている。
続いて、マイクの性質だ。通話用のマイクは、録音用のマイクとは異なり、人の声に特化されたパーツ選びと調整が行われている。しかしそれは、声だけを聞き取りやすくするために、不要な周波数帯域を削っていたりして、対面で聞く声のような自然さを感じにくい面もある。結果、電話中継で繋がった人のような雰囲気になり、オンラインミーティングなどではひとり浮いてしまうことがある。
最新のイヤホン・ヘッドホンは、現状のニーズを鑑みて、マイク性能の向上に力を入れているが、残念ながらいまある全ての製品に当てはまるわけではない。そもそも、完全ワイヤレスイヤホンなどでは小柄な本体に収めるために超小型マイクユニットが必須だ。当然ながら性能にも影響が出てくる。
最後に、Bluetoothという方式に由来する問題がある。Bluetoothには、通話用のプロファイルとしてHFPとHSPが用意されている。さらにHFPには、標準(周波数帯域が200Hz~3300Hz)とHD Voice(HFPバージョン1.6以降、50Hz~7000Hz)という2つの規格がある。
Windows 10の最新版や大半のスマートフォンはHFPのHD Voiceに対応しているため、通話音声はかなり良くなっているはずだが、実際に試してみるとあきらかにHD Voiceでつながっていないと思われる状況がある。そのため、パソコンの場合は内蔵マイクを利用した方が良好だったりする。
なお、HFP(Hand-Free Profile)は携帯電話機の発信・着信もでき、音声のみを伝送するHSP(HeadSet Profile)よりも上位だと考えていい。また、ヘッドホンで音楽を聴く際には、より高音質なA2DP/AVRCPというプロファイルが利用される。
質のよいブームマイクを持ち、遅延の問題から有線接続もできることが多いゲーミングヘッドホンは、このような3つのウイークポイントを排除でき、オンラインミーティングにもバッチリの製品となっているのだ。
マイク性能面では充分でも、Bluetooth接続は環境(接続するスマートフォンやパソコン)によって音質が左右されてしまう可能性が否めないため、ここでは確実な有線モデルのなかから、“オンラインミーティングとの併用”にも適しているという視点でオススメの製品をピックアップしよう。
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