「11インチiPad Pro(第3世代)」(2021年モデル)を使って、本当にワイヤレスイヤホンは遅延で使えないのか検証!
iPadを動画視聴用やゲーム機として使っている人も多いのではないでしょうか。ゲーマーや動画視聴メインの人にとって、映像と音のタイミングがズレる音声遅延は頭を悩ませるポイントです。よくBluetoothのワイヤレスイヤホンでは音声ズレが生じるから有線イヤホンがおすすめと語られますが、最新のiPadシリーズを見ると無印iPad以外はiPad ProもiPad AirもiPad miniも3.5mmのイヤホンジャックは付いていません。【すべての写真を見る】そこで、手持ちの「11インチiPad Pro(第3世代)」(2021年モデル)を使って、さまざまなパターンを試してみました。・USB Type-Cからイヤホンジャックに変換できるアダプタ…Anker「USB-C & 3.5mmオーディオアダプタ」(実勢価格:1490円)・USB type-C端子の有線イヤホン…オーディオテクニカ「ATH-CKD3C」(実勢価格:3080円)・“低遅延ゲームモード”に対応した完全ワイヤレスイヤホン…SOUNDPEATS「Air3」(実勢価格:4570円)また比較対象としてiPadの内蔵スピーカー、「AirPods Pro」も試してみます。
AirPods Proの遅延を検証する様子
オーディオのレイテンシなどと呼ばれる音声遅延は根深い問題です。ワイヤレスやオーディオ出力の遅延が原因と思いきや、システムやアプリのバッファに由来する部分もあるし、iPad内蔵スピーカーでも音声遅延はあります。そこで実際にYouTubeの動画とゲームで、実際に映像と音声のズレを測定してみした。遅延の数字はミリ秒(ms)を用いるため、例えば100msなら0.1秒遅れているということです。まず、テストしたのはYouTubeを使った動画による遅延の比較。遅延テスト用の動画が複数公開されていますが、今回はゲーミングデバイスで有名なRAZERによる『Razer Hammerhead True Wireless Earbuds | Audio Latency Test』(https://youtu.be/ZPaJ3SrUhLU)で検証。音が出た瞬間に一時停止すれば音声遅延をテストできる仕組みです。YouTubeのプレイヤーは音が正確に一時停止しないため写真は参考値ですが、同じテストを何十回と繰り返しているとデバイスごとの違いは見えてきます。▼iPad内蔵スピーカーの遅延…約31ms(0.031秒)・AirPods Proの遅延…約81ms(0.081秒)・Ankerのアダプタを使ったUSBイヤホンジャック変換の遅延…約31ms(0.031秒)・オーディオテクニカのUSBイヤホンの遅延…約31ms(0.031秒)・SOUNDPEATS「Air3」の非ゲームモード…約69ms(0.069秒)・SOUNDPEATS「Air3」のゲームモード…約31ms(0.031秒)iPad内蔵スピーカー、USBイヤホンジャック変換、Type-Cイヤホン、ワイヤレスのゲームモードが約31ms(0.031秒)で横並び。ここで数字がぴったりと揃うのは、この測定方法の限界です。ワイヤレスの非ゲームモードは約69ms(0.069秒)、ちなみにAirPods Proは約81ms(0.081秒)で最も遅延がありました。このYouTubeの遅延テストの結果を受けて、体感的にどれだけ一般的な動画で遅延が気になるのかというと…。最も遅延の大きかったAirPods Proの約81ms(0.081秒)でYouTubeの日本語ニュース番組を見ても、口の動きに対するズレは意識して見てもほとんど分かりません。動画視聴用では、よほど遅延の大きなイヤホンでなければ、気にしなくても良さそうです。
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