マイクロソフトが11月10日に発売する次世代ゲーム機、 Xbox Series X の開封と実機インプレッションをお伝えします。
Xbox Series X は、マイクロソフトが同時に2モデル投入する新Xbox のうち上位モデル。静音性・冷却性能から逆算した無骨な角柱デザインと、4K120fpsやレイトレーシング対応、12TFLOPSに及ぶグラフィック処理能力など高性能、そして自称「四世代ゲーム機」の互換性が売りです(※)。
PS5が現行PS4との互換性を備えつつ、独自の新コントローラDualSenseなど前世代にない新たな体験を訴求するのに対して、Xbox Series X|Sは複数のゲームを中断再開できる「クイックレジューム」や、旧型機・現行機のゲームも滑らかに高精細になるなど、過去の遺産も将来の新作ももっとも快適に遊ぶための機種、遊び放題サービス Xbox Game Passを最大限に楽しむ製品と位置づけられています。
※ 初代から360世代の「互換」は、基本全部ではなくマイクロソフトが検証変換したタイトルのみのホワイトリスト式。
どーん。PS5の箱と比較して縦横はふた回り小さく、逆に奥行き(厚み)は大きい、本体の形状そのままの比率です。
Series Xロゴと1TB SSD表示。発売時には1TBモデルしかありません。
側面は設計と性能アピール。4K 120FPS、最大8K HDR、ストレージ・メモリ・コントローラとDirectStorage APIで高速読み込みの「ベロシティ・アーキテクチャ」、テレビからゲーミング高速モニタまで合わせるVRR (可変リフレッシュレート)、1TB SSDなど。
4K 60fpsはともかく、120fpsは「規格上」できるの範疇では?と思いきや、Halo: The Master Chief Collection や Gears 5の対戦モードなど、60以上の高フレームレートと低レイテンシ(低遅延)に有り難みのある自社ゲームは早々に対応を発表しています。
背面はXboxの看板、Haloシリーズの主人公マスターチーフの後ろ姿が。久々の新作は本体同時リリースのはずが2021年に延期になり間に合っていません。手遅れになる前に来てくれチィィィーフ!!!(と、劇中では救世主扱いです)。
『Halo Infinite』2021年に延期、Xbox Series X発売同時を逃す
気を取り直してオープン。引っ張り出す感じの簡易包装ではなく、トレジャーチェスト的にパカッと開ける体験を意識しています。
激しい存在感の黒い塊と、おなじみのキャッチコピー「ジャンプ イン」の帯。トビコメ!
本体を取り出すにはどうしても最初に外すことになる帯に、各部名称と接続方法、アプリでセットアップしましょうのQRコード。
iOS / Androidの Xbox アプリを使っていれば、コントローラでログイン情報やパスワード等のストレスなくセットアップと、アカウント同期が完了します。
黒棺っぽい本体。わざわざ真っ黒な梱包。
開け口を誘導されてペリペリと「プレゼントの包み紙を剥がす」をすると、Xbox Series X 本体デザインのアイコンであるこの緑の排気グリルが出てくる演出。
ドーン!
本体より奥側の小箱に HDMI 2.1ケーブル、電源ケーブル、コントローラ。
おまけ。別売りのSSD増設カードは背面にいきなり挿さるスロットあり。USB接続のSSDやHDDも利用でき、Xbox One世代で使っていたものをそのままつなげば互換で遊べます。ただし速度はSSDやHDD側依存でそこそこ。
別売りのSSDカードは、本体のメモリ・コントローラ・ストレージを一体化して速度を稼ぐ「ベロシティ・アーキテクチャ」完全対応で、内蔵ストレージと同じ速度が特徴。
低速でも良いならUSB SSDを併用して、普段遊ぶゲームは本体1TB以内、二軍だけど再ダウンロードはきついものは外付け退避で運用もできます。いずれ市場環境の変化で純正が値下げされることを祈りつつ。
とりあえずざっっっくり、Xbox Series X のインプレ。まだ製品版でないバージョンの、一部のみを使った予備的判断です。
驚くほど静音。音の成分が穏やか
「クイックレジューム」が快適
互換は現行世代も旧世代にも恩恵
といったところ。マイクロソフトは「ゲーマーが中心、次世代機への乗り換えを強制しない」と称して、世代交代期の自社タイトルについては次世代機を買わせるための独占をせずXbox One でも動くようにし、次世代機では4Kアセットやレイトレ、高フレームレートなどより快適に遊べるという、PCゲームのようなアプローチを公言しています。
本体UXも、クイックレジュームなど次世代だけの機能はありつつ、現行世代やモバイルアプリと統一したルック・アンド・フィールなので、ガラッと変わった!次世代!な感覚はさほどありません。コントローラも伝統デザインのまま微妙に使いやすく、トリガーやグリップに滑り止めを増やしたり、やや小さく持ちやすく、シェアボタンを新設した程度で、全く新しい可変抵抗トリガー等はありません。
しかし実際に常用してみると、本体つけっぱなしでもまるで気にならない静音性、PCでいう「ウルトラ」設定を易易とこなす性能、ゲームを並行して進めても待ちが少ないクイックレジュームなど、実用性の意味で実に快適。
Xbox One世代は日本国内のXboxのプレゼンスが極端に下がり、よほど好きな人が強い意志で選ぶようなゲーム機でしたが、最近は国内パブリッシャーのゲームもマルチで置き去り悲劇が減り、ゲームパスも国内サービスが始まり、xCloudも来年予定など、この世代は氷河期が雪解けを迎えた感があります。
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