ステイホームが呼びかけられる今、愛車をカッコよくするのに専念するのもいいだろう。最近では様々な施工やアレンジによって、いつもの愛車をランクアップさせることができる。そこで今回は、おすすめの施工術を3つ紹介する。
近年、STEK社の「PPF(ペイントプロテクションフィルム)」が海外で人気を集めていることから、日本でもじわじわ注目を集め始めている。PPFは、ポリウレタン素材のフィルムで、車体に貼ることで自動車の塗装面を保護する。
カットして場所や面積に応じた施工が可能。例えば、ボンネット一面やバンパー一面、ルーフなど大きい場所のほか、ヘッドライト、ドアノブ内側や、ドアエッジ部分、ドアシル、リアゲート開口部などの細かい場所にも施せる。
フィルムは無色透明のものが定番だが、色付きのものもあり、保護するだけでなく見た目を洗練させることも可能だ。
日本でPPFの製品「DYNOシリーズ」を販売するSTEK-JAPANの技術開発室 小松原崇人氏に、DYNOシリーズの中でも、カラーを用いて愛車をオシャレにする施工する方法をアドバイスしてもらった。
「車体のカラーは、艶消しのマットカラーが数年前からのトレンドです。車体フォルムやスタイリングをより際立たせ、存在感や高級感を感じさせ、昨年からは日本車にも特別色としてメーカーオプションで展開しているトレンドカラーの一つです。とはいえ高価なオプション価格に加え、手入れが非常に大変な一面を持ちます。
そこで、ボディに『DYNOblack-matt』というPPFを貼り、マット化するのがおすすめです。従来のカーラッピングは着色・加工がしやすいポリ塩化ビニール(PVC)素材のフィルムが原料であり、塗装と同様に手入れや保管環境を選びますが、STEKのPPFは、熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルム(TPU)を原料とし、厚みのあるフィルムが飛び石やスクラッチ傷を軽減させるとともに、紫外線に強く白ボケや劣化しづらい優れた防汚性と耐久性が特徴です。手入れに関しても水拭き・気軽な洗車と気を使いすぎる必要もありません」
マット同様、人気があるのが、ブラックへカラーチェンジできる上に、3Dカーボンパターンを加えた「DYNOblack-carbon(ダイノブラックカーボン)シリーズ」だという。
「DYNOblack-carbonは、ペイント・ラッピングフィルムでは得られない立体感と素晴らしい光沢に表面を仕上げられた『glossグロス』が特徴ですが、さらりとサテンマット調でスポーティーな印象を強めるマットタイプの選択も可能です。ルーフやリップスポーラー、小物などに使用することで、引き締まった車両へと保護とイメージチェンジを両立できます。
カラーは、ブラック、グレー、ホワイト、レッド、パープル、ブルーなどがあり、部分的なポイント施工であってもアクセントとしてオリジナリティある車両へと変えられる。
フィルムをはがせば施工前の純正塗装状態へ戻すことができるので、日々進化するSTEKのニューカラーやパターンに気軽にチェンジできる。
また定番の透明フィルム「DYNOshield(ダイノシールド)」もおすすめだという。
「本来の塗装色を生かしフロント周り、フルボディにおすすめです。もちろん気になる部分のドアカップ、ドアシル、トランクガードなど日常の生活傷から守るパーツごとの施工であっても違和感なく取り入れられます。
フロントガラスには『DYNOflex』という製品があり、フロントガラスの割れ防止に効果を発揮します。ドレスアップ用途と保護、どちらの目的にも応える、新基準フィルムです」
車内ではできるだけ静かな環境で音楽や会話を楽しみたい。そんな人は、走行騒音をカットして、快適な室内環境を作る施工がおすすめだ。
今回は、「調音施工」と呼ばれる走行騒音をカットする製品を手がける、高級カーオーディオメーカーのビーウィズ株式会社の代表取締役 中島敏晴氏に調音施工について解説してもらった。
「調音施工とは、車が走る際の主な騒音源となる“ロードノイズ”と“エンジンルームからの透過音”という2つのノイズに的を絞って対策を行い、快適な車室内環境を実現する当社オリジナルの走行音静粛化プログラムです。従来のいわゆる“デッドニング”とは異なり、車両全体ではなくホイールハウス内やエンジンルーム隔壁など、もっとも効果が期待できる部分のみにピンポイント的に施工することで、車両の価値を損なったり、大幅な重量増加を伴ったりすることなく、リーズナブルな費用と短い作業時間で優れた効果が得られるとご好評をいただいております」
「調音施工」はどの部分に施すのだろうか。
「近年の静かな車において最大の騒音源と考えられるロードノイズ、すなわち路面とタイヤによって発生する連続的なノイズを効果的に低減させるホイールハウス内(前後4輪)への施工を標準仕様とし、さらにオプション仕様として、エンジンルーム内(エンジン車)またはラゲッジスペース内(EV:電気自動車)への施工も用意しています」
タイヤハウスのインナーカバーにBAMシートを貼り付けたところ
「前者はディーゼル車などエンジン音が気になる車種のオーナー から評価を得ており、後者はホイールハウス内に次いでロードノイズの侵入経路となりやすいラゲッジスペースからの透過音を抑えることで、調音施工の効果をさらに高めるものとして、多くのEVオーナーの皆様に選択していただいています」
施工は、カーオーディオ専門店のFOCAL PLUG&PLAY STORE (フォーカル・プラグアンドプレイ・ストア)で受けることが可能だ。実際の作業工程はどのように行うのだろうか。
「標準仕様のホイールハウス内施工では、各4輪のインナーフェンダーライナーというタイヤ周辺を覆うカバーを取り外し、フロント側はライナーの裏側に遮音・制振材のFOCAL社製BAMシートを 施工します。またリア側はライナーを取り外した後にライナー側ではなく車両のボディ側に遮音材を施工します。
作業に際してはすべてのライナーを洗浄し、ライナー裏側に溜まった砂利やゴミなどの清掃も行います。また、オプション仕様のエンジンルーム内施工では、エンジンルームと車室との隔壁であるバルクヘッド部)の素地が見えるところまで分解して、遮音・制振材を施工します。オプション仕様のEV向けのラゲッジスペース内施工でも同様に、素地が見えるところまで分解して施工を行います」
作業時間はどのくらいかかるのだろうか。
「調音施工の実作業時間は概ね半日程度です。作業は原則として完全予約制で、日帰り施工にも対応しています。すべての遮音・制振材は見えない部分に施工され、タイヤを取り外しても作業の痕跡に気づくことのない美しい仕上がりです。愛車の見た目を変えることなく、施工後はより快適なドライブをお楽しみいただけることと思います」
音環境というのは、意外と気づかないうちにストレスになっているものだ。調音施工を行うことで、ロードノイズを低減し、運転中のストレスを軽減する。聴きたいエンジン音、お気に入りの音楽がより魅力的に聴こえ、車内の会話が弾むだろう。
車内のインテリアは、もっと自分仕様にアップデートできる。例えば、シートの張り替え、ダッシュボード塗装のリニューアル、天井ライン入れ、フロア張り替えなど様々な施工がある。
今回は、こうしたインテリアのオーダーカスタムに対応するエルティードに話を聞いた。
最近、人気のあるインテリアのオーダーカスタムはどんなものだろうか。エルティードの担当者は、次のように話す。
「数年前まではシートを張り替えるユーザーが多かったのですが、最近では当社の通販で注文可能なシートカバーが主流になってきました。好きな色・好きなデザインでセミオーダーで注文可能ですので、自分らしさ、世界に一つのおしゃれが楽しめます」
シートカバーの一例「Seat Cover(Bタイプ)」58,300円(税込)※オプションにより価格が変わる場合あり
実際、こんな施工事例がある。
「100人いれば100通りの好みがあります。その方の着用されている服の色、持ち物の色などからお好きな色をチョイスして、それを車の内装にワンポイント入れることで、車を乗ることが楽しくなります。例えば、外観が気に入った建物があったとして、その中に入ったら、装飾や壁紙も美しかったり、かっこよかったりすれば、最高ですよね。それは車にも同じことが言えます。車内に踏み入れたら、その方の個性が光る、乗った人を裏切らない内装づくりをしてみてはいかがでしょうか」
愛車をランクアップさせるには、様々なアプローチ方法がある。自分が求める車にするにはどんな施工がいいのかを考えるときのヒントにしたい。
【参考】STEK-JAPAN「DYNOシリーズ」「調音施工」FOCAL PLUG&PLAY STOREエルティード
取材・文/石原亜香利
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