「いま息子はどこにいるんだろう?」。子供をもつ親にとって、学校への行き帰りでも心配になるときがあります。筆者も小学生の息子がいて、小学校へ入学する際にキッズ携帯を購入。携帯の場所を検索することで、居場所がわかるサービスにも加入しましたが、実際にはほとんど使っていません。
というのも、まず学校に携帯やスマホを持って行ってはいけないため、通学では使えないこと。遊びに行くときだけ持たせても、ほぼまっすぐ帰ってくるので、居場所を調べる機会がないためです。むしろ何かあればメールか電話で連絡くれます。
また、居場所を調べると携帯に通知が入るという仕様も、子供にとって頻繁に調べていることがわかったら嫌でしょうからね。そのため、ふだんはほとんど家に置いたまま。使うのは万が一のときぐらいという気持ちになっています。
そこで、今回お借りしたのがソフトバンクの「どこかなGPS」です。その名の通り、GPS機能を内蔵し携帯電話の通信機能を利用してやり取りするため、携帯が利用できる場所ならどこでも居場所がわかります。タグのような形状なので、小学校へ行くときもランドセルの中に入れとけば大丈夫でしょう。
サイズは約47 x 47 x 15.5 mm、重さは約34g。IPX7/IP6Xの防水・防塵を備えているので、子供に持たせるには安心です。本体には充電用のMicro USB端子が備わっており、ケーブルは付属していますがUSB充電アダプターは同梱されていなません。スマホの充電アダプターを利用したり、パソコンに接続したりして充電します。どうせなら端子は、USB Type-Cのほうが嬉しかったですね。
利用するには、まず「どこかなGPS」のアプリをスマホへインストール。iOS、Androidどちらも用意されています。起動するとまずは初期設定を行います。本体のボタンを5秒以上長押しするとLEDが赤と青の点滅し、スマホがどこかなGPSを見つけると接続されます。
アカウントの作成が終わったら通信機能が設定されたあと、どこかなGPSのアイコンと名前を登録。あとは、通知を受ける見守る人(自分)のメアドを登録すると利用開始です。
画面にマップが表示されますが、どこかなGPSがいまどこにいるかは、初期設定で5分に1回送る設定になっているため、最初は表示されません。右上にある更新ボタンを押すとどこかなGPSの現在地がわかります。
ちなみに、利用されるマップは、iOSがアップルマップ、AndroidがグーグルマップとそれぞれのOSの標準マップになっています。今回iPhoneで試してみましたが、個人的には地方だとあまり更新されないアップルマップより、グーグルマップのほうがよかったですね。
いろいろと通知してくれる機能が便利
どこでもGPSはいろいろなことができます。それらを設定するには、登録した名前の横にある設定ボタンをタップします。ただし、本体がスマホの近くにないと設定できません。
設定画面から「通知設定」をタップすると、6つの通知機能が並んています。
●ついたよ通知(GPS)
これは、地図上で半径100mから1kmの範囲で設定した領域にどこかなGPSが入ったり、離れたりすると、メールで通知されます。たとえば、学校に到着、帰宅するときに通知したり、高齢者の見守り用途として自宅から1km圏外へ出たら通知するなどができます。
●ただいま通知(Wi-Fi)
ついたよ通知とは違い、Wi-Fiの電波が届く範囲にどこかなGPSが入ったとき、離れたときにメールで通知するもの。Wi-Fiは2.4GHz帯のSSIDのみ対応しており、スマホで利用しているWi-Fiを元に設定できます。設定時は電波の入るSSIDが一覧表示されるわけではないので、もしスマホで5GHz帯を使っていたら、2.4GHz帯に切り替えてから設定しましょう。
●いまここ連絡
本体のボタンを押したときにメールで通知を受けるかどうかを設定します。初期設定ではオンになっています。
●はなれたアラート
出掛けたときに、子供が迷子にならないよう、自分のスマホから離れたらプッシュ通知する機能です。Bluetoothを使っていて、15秒、30秒、45秒圏外に出たら通知されます。アプリは起動しておく(バックグランドでも可)必要があります。
●バッテリー通知
バッテリーが残りわずかのとき、切れたとき、電源が入ったときにメールで通知します。
●設定変更通知
設定が変更されたときに、変更内容をメールで受け取ります。
ほかにも、「現在地更新設定」でどこかなGPSの現在位置情報を送ってくる間隔が設定できます。初期設定は5分ごとですが、ほかに3分、10分、30分が指定できます。また、更新を無効にもできます。
この設定をしておくと、どのように移動したのかが把握できます。当日を含めて3日間確認できます。
また、どこかなGPSがどこにあるのか音を鳴らせます。Bluetoothを使うため、その範囲内にないと音は鳴りません。
子供の見守りだけでない失くしたくないものにも
さて、実際に使ってみましたが、測位にはGPS、GLONASS、みちびき、Wi-Fi、携帯電話基地局を使うということですが、一発の精度(絶えず測位しているのではなく、情報送信するときだけ測位するため)はそれほど高くありません。特に屋内だと100mぐらいズレることもありました。ただ、しばらくすると誤差が小さくなるので、ある程度正確な位置を知りたいときは、何度か更新するといいでしょう。あらゆる手段で位置情報を取得するという意味では有用です。
それを踏まえているためなのか、「ついたよ通知」の設定が半径100mから1kmまで100mごとの設定なので、通知機能としてはそれほど問題ではありません。より正確性を高めたいのであれば、ただいま通知のWi-Fi電波圏内を利用するといいでしょう。
また、移動履歴は初期設定で5分単位なので、歩いていたとしても意外と飛び飛びの場所になります。カーナビの移動履歴を想像してはいけません。あくまで目安として利用するのが吉です。
気になるバッテリー寿命は、スペック上、初期設定で4日程度となっていますが、実際にはまる2日ぐらいでした。移動していないときは現在地情報を送らないなどバッテリー消費を低減する仕組みは用意されていますが、子供に持たせるのであれば2日に1度ぐらいは充電したほうがいいでしょう。充電時間は90分程度で満充電になります。
今回、子供に持たせて利用する話を中心にしましたが、このどこかなGPSは、さまざまな用途に利用できるでしょう。高齢者の見守りはもちろん、クルマやバイクなどの盗難されたときの場所確認、財布やカバン、カギなどに付けておき忘れ物タグとしてなど、人だけでなくモノを見守ることにも役立ちます。筆者もよくカギがどこかいったということがよくあるので、これを付けておけばどこに落としても安心でしょう。
あとクルマやバイクは、エンジンを掛けて盗難するはずなので、アクセサリー電源に接続しておけば、バッテリー切れの心配はないし、本体が小さいので隠しやすく犯人にも見つかりにくいはず。ついたよ通知で駐車場から離れたら通知させたり、バッテリー切れの状態なら電源がオンになったときに通知がくるので、盗まれたことがすぐに分かるメリットもあります。
そう考えると、最初は子供の見守り用として使いたいなぁと考えていましたが、クルマにも付けておきたくなってしまいました。価格は、本体と2年間分のサービス利用費込みで1万2000円(税別・以下同じ)。3年目以降は月額400円で継続利用できます。大切な人やモノを見守るためのアイテムとして、かなり有用性を感じました。
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