ここ数年ほどiPadモデルの最大画面サイズは12.9インチのままですが、アップルが15インチ版を開発中だと示唆する噂が届けられています。
Bloombergの記者でアップルの内部情報に詳しいMark Gurman氏は、アップルがスマートスピーカー市場で競合企業に大きく遅れを取っていることを論じています。米調査会社CIRPの調べでも、アップルの市場シェアがわずか5%に対して、米アマゾンは69%のシェアを占め、2位のGoogleは25%を確保しているとのことです。
その文脈のなかで、Gurman氏はアップル製品に画面付きのスマートスピーカーがないことを指摘し、15インチの大画面iPadを製造すべきだと主張しているしだいです。
今年6月にもGurman氏は、アップルのエンジニアとデザイナーが大画面のiPadに取り組んでおり、2~3年後には発売される可能性があると述べていました。なぜ来年(2022年)には間に合わないのかといえば、新型iPad Proがその年に発売されるからだ(そちらを優先する)と「確認」したからだと説明したことがあります。
15インチiPadを語る上で、Gurman氏はアマゾンのEcho Show 15を引き合いに出しています。天気の確認やスマート家電の操作、防犯カメラの映像など多機能を備えつつも、必要以上に分厚いデザインや遅くて品ぞろえが貧弱なソフトウェア、劣悪なカメラなど欠点も多い。アップルならそれらを解消できるし、iPadを家庭用デバイスに作りかえることは初代iPhoneを開発するほど難しくないというわけです。
Gurman氏いわく、アップルは大画面のiPadを少し厚くして、よりパワフルなスピーカーの搭載を検討しているとのことです。さらにカメラの向きをランドスケープファースト(横置き優先)にしたり、電源プラグを背面に付けたり、壁掛けに対応する可能性も仄めかしています。
iPadにはApp Storeがあり、ソフトウェアの面ではアマゾンよりも優位に立つはず。なにより通常のiPadやノートPCの代わりとしてどこにでも持ち運ぶことができ、固定が前提のEcho Showシリーズよりも運用の幅が広くなると思われます。
ただし、注意点が2つ。1つは品質に妥協がないアップルがiPadを大型化すれば、高価になるのは避けにくいこと。そしてアップルは販売台数が減ったとしても割高な価格設定をためらわない傾向があり、Echo Show 15の250ドル(日本価格は約3万円)をはるかに超える値段になりそうです。
もう1つは、スマートディスプレイにはAlexaやGoogleアシスタントなどの有能なデジタルアシスタントを搭載する必要があること。Siriはこれらと同じレベルには及んでおらず、高価格と合わせて直ぐにアップルがスマートホーム製品のトップに躍り出ることはない。が、この方向に動くのは新たな始まりとなり、業界とアップルにとって良いことになると予想されています。
アップルはiPadを学習やクリエイティブのプロ向けに推しているものの。NetflixやDisney+など動画ストリーミングやデジタル雑誌および新聞の閲覧など、もっぱらメディア消費に使っている人口はかなりの比率を占めると思われます。12.9インチでさえ「狭い」「見開きの文字の小ささを我慢している」と感じている市場を掘り起こし、爆発的ではないにせよ手堅い売上が見込めるかもしれません。
Source:Bloomberg
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