邪悪な使い方!
顔認証技術はとても優れていて便利なテクノロジーですが、悪い使い方をされると悪い意味でとてもパワフルなツールにもなってしまいます。悪い使い方がされないことを祈るばかり...と思ったらすでに中国でそんな使い方がされてしまっているのです。
New York Timesによると、中国政府はイスラム教徒の少数民族ウイグル人を追跡するために顔認証技術を利用しているとのこと。
New York Timesが入手した政府資料によると、去年の初めから中国の警察はウイグル人を特定・追跡するためのテクノロジーの導入に興味を示していることが判明。そして今年2月から国内で顔認証システムを張り巡らせ、ウイグル人特定のために1ヶ月に50万回ものスキャンがおこなわれたとのこと。このデータベースでは性別、サングラス、ウイグル、などのタグが使用され、写真とともにデータが蓄積されていく仕組みのようです。
中国に弾圧を受けているウイグル人ですが、現在は100万人近くのウイグル人が強制収容所に送られていると言われています。中国は監視カメラをものすごい勢いで使っていて、たとえば電気自動車を運転している人のロケーションを追跡していたり、教室内の生徒の様子をライブモードで撮影していたり、人民のソーシャルクレジットスコアも記録していたりと、個人情報なんかまったく守られていないのです。
現在、中国には2億個の監視カメラが存在すると言われています。去年から中国の警察官は、「逃亡者を見つけ出すため」という理由付けでスマート・グラスという顔認証システム付きのメガネをつけています。でもそれ以外の目的でも使われるのではないかとの懸念もあるのが事実です。
そして今回のウイグル人を追跡するための顔認証システムの実施ですが、実は2017年から新疆ウイグル自治区ではすでにイスラム教徒を追跡するためのソフトウェアが使用されています。New York Timesは、中国当局は顔認証システムを使って人種的・民族的に個人を特定することについて大変便利で、まったく悪意のないものだと考えていると伝えています。
顔認証システムは個人を守るため、セキュリティのためにだけ使われるという気持ちを持っていたら大間違いですね。悪い手に渡ると、こうして人々を抑制・コントロールするために使われることになんですね...。
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