ヨットやボートを愛する皆さんにとって、海の上での時間というのは、五感を研ぎ澄ませて自然と対峙し、そしてまた自然と調和する特別な時間なのではないだろうか。
その人間の五感のなかでも、聴覚は特に重要な情報の一つといえる。だからこそ、音響機器を通して入ってくるサウンドは、リアルに近いものであればあるほど、心と体を優しく包み込んでくれるに違いない。
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そんな本物のサウンドを、広く世界の人たちに提供し続けているのが「バング&オルフセン(Bang & Olufsen:B&O)」だ。ハイエンドのスピーカーやヘッドフォンをはじめ、テレビに至るまで、音響製品全般を取り扱っているオーディオビジュアルブランドで、こだわりのユーザーたちから熱い支持を受けている。世界に約500の店舗があり、日本では全国12の専門店から、その魅力を発信している。
なんといっても同社製品の最大の魅力は、モノに対して込められた高い美意識にこそある。上質のサウンドやビジュアルを提供する、いわば工業製品としての高いクオリティーは当然のこと、生活空間において一定の割合を占めるファーニチャーとしての存在感、すなわち調度品としての美しいフォルムを徹底的に追及し、その結果として生まれた製品は、半ばアート作品としての高い付加価値をも生み出しているわけである。
100年企業が目指したもの
インダストリアルデザインのアイコンとして君臨し続けるB&Oの歴史は、1925年にまで遡る。デンマーク北西部の町ストルーア(Struer)で、ピーター・バング(Peter Boas Bang)と、彼の学生時代の友人であるスヴェン・オルフセン(Svend Olufsen)の若い二人によって、この会社の第一歩がスタートした。
B&Oが立ち上げられた当時、彼らが目指していたのは、ハイクオリティーな製品を作ることもさることながら、人々の生活や暮らしを豊かにしたいという純粋な願いがあった。例えば、リビングで家族とくつろぎのひとときを過ごす時間に、上質のサウンドがそばにあったらどうだろう。間違いなくそれは、生活そのものの質を向上させるということにおいては、大きな役割を占めるはずだ。
ただ、それが多くの人たちにとって手の届きにくいものであっては意味がない。その思いは現在もブランドに深く根付いており、究極の音響製品ともいえるラインアップをそろえる一方で、比較的手に入れやすい低価格の製品も用意している。限られた人だけでなく、より多くの人に幸せな時間を過ごしてほしいということが、何よりも大切であるからだ。
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さて、B&Oの歴史を語る上で欠かせないのが、デザイナーであるヤコブ・イェンセン(Jacob Jensen)とのリレーションシップである。創業当初は、家具調のデザインが多かったB&O製品だが、1960年代にイェンセンがデザイナーとしてかかわってからは、斬新なデザインとテクノロジーが融合した唯一無二の製品を次々と発表し、世界の人たちを魅了していった。
イェンセンが最初に完成させたB&O製品は、1967年に発表された「Beomaster 5000」というチューナーアンプだ。イェンセンは、この製品の発表にあたって「 バング&オルフセンの素晴らしさは、一つには他人と違う物を作ることに可能性を見出したことではないかと思う。バング&オルフセンの精神は『気に入った、信じてとりあえずやってみよう、このチャンスを逃さずやってみようじゃないか』というものだ」と述べている。
この革新と実験の精神は、B&Oの同僚のデザイナーやエンジニアたちとのパートナーシップが深まるにつれて、さらに大きく成長していった。イェンセンが新製品を作り出すたびに、コラボレーションとクリエイティビティーの物語が生まれていった。その現場に妥協はなく、難産の末に生まれた製品の一つ一つが、B&Oの歴史のマイルポストとなっている。例えば、「Beogram 4000 ターンテーブル」には、航空エンジニアの自宅の地下で設計された、革新的なツインアームが搭載された。また、「Beocenter 9000 は、その姿が完成するまでに80近いコンセプトデザインを経たのだという。
(上)ツインアームを備えた「Beogram 4000 ターンテーブル」。常識にとらわれない斬新なデザインが、多くの人たちの心をとらえた
クラシックなB&O製品についてよく言われるジョークに、「家庭よりもSF映画のほうがしっくりくる」というものがある。この言葉を借りるまでもなく、B&O製品がアバンギャルドな美意識によって生み出され、いろいろな意味でオーディオ製品の未来を描き続けてきたかということがおわかりだろう。
イェンセンとのリレーションシップをきっかけに、B&Oは、高品質の機能を有しながらも、アート作品とも呼ぶべき高いデザイン性を備えた製品を生み出してきた。MoMA(ニューヨーク近代美術館)にも、数々のB&O製品が収載・展示されているが、このことからも高い評価の一端が垣間見えてくるはずだ。
イェンセンが語った言葉の一つには、そんなB&Oの精神や世界観の全てが集約されている。「もし我々が妥協していたら、バング&オルフセンは存在しないでしょう。それだけのことなのです」
B&Oでイェンセンが創造してきた製品は234にも及ぶ。1989年に引退した後は、生涯の趣味であるセーリング三昧の日々を過ごし、2015年に没した。
その精神は、もちろん現在のB&O製品にも脈々と受け継がれている。
究極の音響体験を
現在、B&Oではさまざまな製品をラインアップしている。そのなかでも、今回はハイエンドに位置する「ステージドクラス(Staged Class)」の製品について、以下に紹介していくことにしよう。
「Beolab 90」は、世界で最も進化したと言えるであろうデジタルラウンドスピーカーだ。長い年月をかけて妥協なき開発に取り組み続けた結果、その夢と努力が結実。スピーカー1台あたり8,200Wにもおよぶ圧倒的なパワーは、B&O史上最もパワフルなサウンドを実現している。
通常、音楽を聴くことに特化した空間とリビングルームとでは、完璧なサウンドづくりにおいて目指すものが異なってくる。しかし、このBeolab 90は、あらゆる生活空間やリスニングモードに合わせて、シームレスにサウンドが調整される。
住空間を柔軟にとらえることによって生み出されたスピーカーは、聴いている人を中心に、常にその正面へとサウンドを届ける。Beam Width Controlによって音の拡散を制御し、五つの方向のいずれかを音響フロントに指定することができ、好みのリスニングスポットを選ぶことが可能。また、ホームパーティーの際など人が集まる場面では、360度の全指向性サウンドでゲストを楽しませることもできるようになっている。
スピーカーとは思えない形状のフォルムは、単に見た目のデザインだけを追ったものではない。ドライバーの位置と向きから冷却フィンの配置まで、最高のパフォーマンスを発揮するために全てが形作られているのだ。
カバーの下には、18基ものプレミアムドライバー、14チャンネルのICEパワーアンプ、クラスDアンプ4対を装備。迫力と臨場感を備えた圧巻のサウンドが、あなたを包み込んでくれるはずだ。
Beolab 90
■タイプ:Active Speaker■アンプ:ツイーター用:Bang & Olufsen ICEpower AM300-X×7ミッドレンジ用:Bang & Olufsen ICEpower AM300-X×7ウーファー用:Heliox AM1000-1×3フロントウーファー用:Heliox AM1000-1×1■ドライバーユニット:ツイーター:Scan-speak Illuminator 30mm×7ミッドレンジ:Scan-speak Illuminator 86mm×7ウーファー:Scan-speak Discovery 212mm×3フロントウーファー:Scan-speak Discovery 260mm×1■配置方法:フロア■ワイヤレス接続:ワイヤレスPower Link(24bit/48kHz)、 WiSA(24bit/96kHz)■接続:Power Link RCA XLR(Balance)、USB オーディオ(24bit/192 kHz)、S/P-DIF(24bit/192 kHz)、Toslink(24bit/96kHz)、デジタル Power Link(24bit/192 kHz)■重量:137kg■サイズ:W735×H1,253×D747mm■素材:アルミニウムおよびファブリック、木材:オーク■カラー:カバー:Black、フレーム:Natural、ウッド:Oak※オプション:アルミニウム(Natural、Bronze Tone、Gold Tone)、ファブリック(Black、Forged Iron、Parisian Night、Purple Heart、White、Sand)、木材(Light Oak、Oak、Smoked Oak、Walnut)■デザイナー:Noto Design GmbH■価格(税込):¥10,890,000(※2022年1月現在)
聴覚のみならず、視覚にも訴えることで、極上の音響空間が実現する。B&Oの「ステージドクラス」では、テレビもラインアップしている。「Beovision Harmony」シリーズは、65インチ/77インチ/88インチの3モデルを用意。迫力の大画面で、映画、音楽、そしてスポーツと、臨場感あふれる特別な体験をユーザーに提供する。
もちろんBeovision Harmonyにも、妥協なきB&Oの世界観が存分に凝縮されている。例えば88インチのモニターの場合は、ただ単に大きな画面に映像を映し出すというのではなく、このBeovision Harmonyに最適化された有機EL8Kモニターを採用(LG Electronic社製)。従来の4K映像の4倍、HD映像の16倍もの高精細な8K映像技術と高性能プロセッサーを搭載し、息を呑むほどの映像美を実現。3,300万を超える有機EL自発光パネルは、広角域で優れた黒表現を可能とし、豊かな色彩表現と同時に高い動画表示性能も有している。
サウンド面では3チャンネルのスピーカーシステムとデュアルのサブウーファーを本体に搭載。また、B&Oのスピーカー拡張機能にも対応し、最大で8個のBeolabシリーズスピーカーを接続することで、映画館に匹敵する本格的な7.1チャンネルのサラウンドシステムを構築することもできるようになっている。
全ての操作は、アルミニウムの一枚板から押出成形でデザインされた「Beoremote One」で行える。ユーザビリティーにもこだわるB&Oならではの、シンプルかつ容易な操作性が実現している。
(上)格納時
(上)展開時
Beovision Harmony
■スピーカー:フルアクティブ 3chステレオ(センターおよびステレオ)1インチ ツイーター×1、2.5インチ フルレンジドライバー×2、4インチ ミッドレンジ/ウーファー×1、4インチ ウーファー×2■アンプ:センターツイーター用:50W×1、フルレンジドライバー用:50W×2、ミッドレンジ/ウーファー用:100W×3■機能:7.1サラウンドサウンドモジュール内蔵、Adaptive Bass Linearisation、各種サウンドモードおよびスピーカーグループ■リモコン:Beoremote One BT による2ウェイBluetooth制御■対応ストリーミングサービス:Apple AirPlay 2 Bluetooth DLNA Chromecast built-in■統合音楽サービスDeezer(Deezer HiFi を含む)TuneIn インターネットラジオ■Multiroom:Apple AirPlay 2、Chromecast built-in、Beolink Multiroom 技術が統合され、そのままでワイヤレス Multiroomセットアップに対応可■重量:Bang & Olufsen サウンドセンター(フロアスタンドとスピーカーカバーを含む)100.7kg、LG製88インチ有機 ELテレビ54.9kg■サイズ:88インチ格納時:W195.5×D34×H128cm、展開時:W195.5×D34×H171.1cm■色展開:Natural Oak Wood/Silver(ナチュラルオーク/シルバー*)、Walnut/Bronze-tone(ウォルナット/ブロンズトーン*)、Smoked Oak/Brass-tone(スモークドオーク/ブラストーン*)、Grey Melange Fabric/Silver(グレイメランジファブリック/シルバー*)*木材もしくはファブリック素材のカラー/アルミ素材のカラー■デザイナー:トーストン・ヴァリュア(ヴァリュア・デザイナーズ)■価格(税込):7,590,000円(88インチ)、3,300,000円(77インチ)、2,894,100円(65インチ)※木材パネルを選択した場合の2022年1月現在の価格。
魔法のようなシネマ体験をあなたにシネマティックエクスペリエンスキャンペーン
百聞は一見に如かず──B&O製品の世界を知るには、実際にそのサウンドや映像を体感するよりほかにない。いくらその素晴らしさを語ったところで、あなた自身の耳や目で体感してもらう以外に、最もよい方法などないのだから。
そんな極上の体験ができる機会が実現したので、ぜひここでお伝えしたい。究極の音響体験が、きっと驚きや感動をあなたに届けてくれるはずだ。
B&Oでは、1月28日~3月27日の約2カ月間にわたって、国内の専門店で「シネマティックエクスペリエンスキャンペーン」を実施する。極上のサウンドと鮮明な映像が一体となった、身も心も包み込む究極のシネマ体験を、この機会にぜひ味わっていただきたい。映像に映し出されるライブ会場やスポーツイベントの会場、あるいは映画の1シーンに・・・圧倒的な臨場感は、あなたを夢の世界へと誘ってくれるはずだ。
なお、期間中には購入特典や来店特典も用意されている。ぜひ足を運んでいただきたい。
■期間:1月28日~3月27日■場所:バング&オルフセン専門店(※詳細はコチラをクリック)■購入特典:Stagedクラス(ハイエンドモデル)をご購入いただいた方に、B&Oロゴ入りリーデルグラスを贈呈■来店特典:ご来場いただき、「KAZI onlineの記事をご覧いただいた旨」をスタッフにお伝えいただいた方限定で、B&Oノベルティーを贈呈(在庫限り)
(問い合わせ)ザ・ビーズインターナショナルhttps://beostore.jp/
(文=舵オンライン編集部)
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