――BandLabというサービスは、今回初めて知ったのですが、まずは、これがどんなサービスなのか概要を簡単に教えてください。
クック氏(以下敬称略):BandLabは2015年にスタートした音楽のアプリケーションプラットフォームで、クリエイター・ミュージシャン同士が音楽を制作するプロセスを共有したり、ファンに対して完成した音楽をシェアしていくための“ソーシャル・ミュージック・プラットフォーム”であると位置づけています。
iOSやAndroid、そしてPCのWebブラウザ上で利用できるように設計してあり、つい先日日本語に対応したアプリをリリースしたところです。世界で初めてビデオ・シェアリング、メッセージ、ディスカバリーといったソーシャル機能を追加したクロスプラットフォーム・デジタルワークステーションなんです。
Android版の画面PCのWebブラウザ画面――実際どのくらいの人たちが使っているのでしょうか?
クック:アメリカ、イギリスを中心に、ユーザー数はこの2年で急速に伸びてきており、現在約200万人となっています。これまで英語以外へのローカライズができていなかったこともあり、日本ユーザーはまだ少なかったのですが、やはり日本の音楽制作市場はとても大きいため、各国語対応させる中で、先駆けて日本語対応をしたところなのです。とはいえ、日本だけのサービスを行なうわけではなく、全てはシームレスになっているため、そのまま海外とのやりとりも可能になっています。
ユーザー数の推移――BandLabのアプリは無料とのことでしたが、いくつかの価格体系があるわけですよね?
クック:現時点においてBandLabは全てが無料です。iOS、Androidのアプリ価格は無料なのはもちろんですし、PCのWebブラウザ上で利用するのも無料です。使っていく上で、とくにプレミアムコースなどがあるわけではないですし、誰もが全てを無料で使うことができるようなっています。他社では月額利用料がかかったり、オプション追加にいくらかが必要になったりしますが、BandLabは全てが無料なのです。また、アプリ上やWebブラウザ上で広告が出ることもありませんよ。WebブラウザとしてはGoogle Chromeを利用されることを推奨しています。
――そうなると、実際のところ、どうやって利益を上げようというのですか?
クック:「みんなの音楽をエンパワーしたい!」、そういう意図でサービスを提供しているから無料なのです。また当社はBandLabだけでなく、グループ会社としてさまざまなサービスを展開しているからこそ、BandLabを無料で提供できています。たとえば、アメリカの歴史ある雑誌であるRolling Stoneもグループの1つですし、ギターのストラップやケースなど受賞歴のあるミュージック・ライフスタイル製品を販売するブランドのMONOも1つです。またアジアを代表する楽器の小売り・流通事業を展開するSwee Lee Musicも統括しているので、グループ全体の推進力であると思っていただければ大丈夫です。ただ、今後ハードウェア商品も出していく予定で、これらについては無償ではありません。こうしたものも含めトータルで稼いでいけたらと思っているところです。
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