エンジンチェックランプなどとも呼ばれていますが、正式には「エンジン警告灯」とされています。エンジン警告灯は多くの場合、スピードメーターの近くにあり、色は黄色と決まっています。
黄色い警告灯は「すみやかに点検が必要」という意味で、即座に車を停車する必要性がないものとされています。走行中にエンジン警告灯が点灯しても慌てて車を停める必要はないので、落ち着いて対処しましょう。
最近の車、特に日本車は故障率が非常に低くなっており、滅多に点灯することがなくなってきていますが、万が一に備えてエンジン警告灯の意味や原因、対処方法を理解しておきましょう。
エンジン警告灯の意味は、「エンジンの制御系のトラブルが生じたときの警告」となっています。
トヨタ車など一部のメーカーでは、エンジンとトランスミッションの両方の制御系のトラブルが発生したときの警告灯としている場合があります。車に付属の取扱説明書に、エンジン警告灯の意味が書いてありますので、愛車の取扱説明書をチェックしてみてください。
ちなみに、エンジン警告灯含む、警告灯のデザインと基本的な意味は日本国内や外車メーカーですべて共通。こちらの記事で解説しています。
エンジン警告灯は次の2つの場合に点灯します。
キーを回してエンジンをスタートさせるとき、一瞬、メーターパネル内にあるすべての警告灯が点灯します。ボタン式のエンジンスイッチの場合も同様です。
すべての警告灯が点灯するのは、各警告灯のランプ切れや警告システムの異常がないかどうかを点検するためです。
エンジンがかかってしばらくすると各警告灯は消えます。そのときにエンジン警告灯が消えていないと、エンジンに何らかの異常があるということです。
エンジンをかける時、すべての警告灯が点灯するかどうか、時折チェックしてみてください。点灯しないものがあれば、ディーラーや整備工場などで点検を受けてください。ディーラーに修理を依頼する際の手順などはこちらの記事で解説しています。
エンジンには無数の制御システムがあります。
中でも、走行に異常をきたしたり、十分な性能を発揮できなくなる危険性があるものについてはセンサーが常に計測しており、異常値を検知したときにエンジン警告灯を点灯させます。
その際は走行中・停車中に関わらず、エンジン警告灯が点灯または点滅します。
エンジン警告灯に繋がるセンサーの種類は車によって変わってきます。
メーカーもどの車にどのセンサーが付いているのか公表していないので詳細はわかりませんが、代表的なセンサーを列挙致します。
また、各センサーが異常を検知したにも関わらず、放置するとどうなるかも併せてご紹介いたします。
O2センサーとは、排気ガスの酸素濃度を測るセンサーです。エンジン警告灯が点灯した時に整備士の方が真っ先に疑うのがこの部分です。
マフラーにある有害物質を取り除く「触媒」に異常が発生し、一定の酸素濃度を超えるとエンジン警告灯が点灯、点滅します。放置すると、マフラーの触媒部が高温になり、近くに燃えやすいものがあると引火、発火のおそれがあります。
少し難しい説明になりましたが、要するにエンジンの温度を測りながら燃費がよくなる最適な状態を維持するためのセンサーです。
なのでこのセンサーが壊れたりすると燃費が一番悪い状態で走行せざるを得ないのですが、それ以外の致命的な問題はほとんどないので安心してください。
O2センサーは、日本車であれば約10年もしくは約10万キロまで持つようになっています。異常や故障による交換となるとその値段は部品代で25,000円〜35000円ほどです。
エアフローセンサーとは、エンジンへ送る空気の量を測るセンサーで、O2センサーの次に疑われることの多い箇所です。
エンジン吸気系のトラブル・故障に加え、単にエアクリーナー・エレメントの汚れがひどいというだけでもエンジン警告灯を点灯させる場合があります。
放置するとエンジンが止まってしまう恐れがあるのですが、エアフローセンサー自体は非常に丈夫にできているので、このトラブルでエンジン警告灯が点灯するのは非常に稀です。
文字通り、エンジンのカム、クランクの角度を測るセンサーです。カムやクランクは高速で常に動いているため、正常な位置からズレが生じることがあります。
カムやクランクの角度がある程度ズレてもエンジンは正常に回転していますが、燃費には大きな影響が及びます。このため、カム角度、クランク角度センサーは燃費向上のためのものとされています。
放置すると、カム、クランクの角度のズレが許容範囲を超えエンジンを痛める恐れがあります。クランクの仕組みについてはこちらの記事をご覧ください。
イグニッションセンサーとは、エンジンの点火系のセンサーのことです。最近の車は、点火タイミングなどはすべて電子制御されています。
点火タイミングが何らかの原因でズレてしまうとエンジン警告灯が点灯します。また、このときはエンジンが震えるような振動を発していることが多いようです。
放置すると、エンジンが止まってしまう恐れがあります。なのでエンジン警告灯が点灯する云々の話の前に車体に異常がでるのでこれも気にとめる必要はなさそうです。
エンジン警告灯が点灯する他、アイドリングの回転が不安定だったり、加速してもエンジンが吹けなかったりする場合、イグニッションコイルが故障している可能性もあります。
アクセル開度センサーとは、アクセルの踏み込み量を測るセンサーのことです。アクセルの踏み込み量は、エンジンの回転数、AT車の場合はギアの変速、トラクションコントロール付きの車の場合はその制御など多くのシステムと関係します。
放置すると、AT車の変速がうまくいかない、アクセルを踏んでも回転が上がらない、トラクションコントロールの不機能などの恐れがあります。
速度計、タコメーター、燃料計など各種メーターは、すべてセンサーです。これらのセンサーが故障が発生するとエンジン警告灯が点灯、点滅します。
放置すると、車によってはエンジンがかからなくなることがあります。
この場合もエンジン警告灯の点灯云々よりもメーターがうまく動作しないことが困るはずなので出来る限り早く点検に行きましょう。
今の車はたくさんの電装品がついており、たくさんセンサーがついています。
電装品はエアコン、オーディオシステム、パワーウィンドウなどの快適装備の他、バッテリー、充電系統、駆動系など車の走行に重要に関わる機器にも付いています。
車の走行と安全に重要にかかわるセンサーが異常値を検知するとエンジン警告灯が点灯、点滅します。
放置すると、エンジンがかからない、エンジン停止などの恐れがあります。
バッテリーが上がってしまって復帰した後にエンジン警告灯が点灯することもよくあります。
自分でバッテリーを交換した時などにバッテリーの端子をしっかり繋いでおかないとエンジン警告灯が点灯してしまいます。再び接続を確認しましょう。バッテリーの正しい交換方法は以下の記事で解説しています。
もしバッテリー端子を点検してもエンジン警告灯が消えないようであれば業者に依頼をして専用のコンピューターで警告灯の中のバグを消去してもらいましょう。
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エンジン警告灯・エンジンチェックランプとは? エンジン警告灯(エンジンチェックランプ)の意味とは? エンジン警告灯が点灯するのはいつ? 主なエンジンの制御系センサーと故障時の症状 エンジン警告灯が点灯した場合の対処方法とは?カテゴリー
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