8月12日に開催された「荒野行動」のeスポーツ決勝大会「荒野Championship-元年の戦い」荒野王者決定戦において、大会へ参加していた「Digital gate gaming(DgG)」所属の「DgGZWEI」、「DgGteamEINS」2チームによる不正行為が行なわれていたことが明らかとなった。
今回の発表は、8月16日に荒野CHAMPIONSHIP運営事務局より公表された。2チームの処罰について「試合の公平性に妨害する行為」とし、3位に入賞した「DgGZWEI」の獲得賞金は没収。さらに両チームの成績を取り消し、最終順位の繰上がりを行なうことが発表された。また同日に、「DgG」はチーム解散を表明している。
【荒野CHAMPIONSHIP運営事務局による公式発表】今回発覚した不正行為は、「DgGZWEI」と「DgGteamEINS」の2チームによるチーミング行為。チーミングとは本来はゲーム内において敵対するプレーヤーまたはチーム同士が、共に協力してゲームを行なう行為。オンラインゲームでは不正行為とされるチーミングは、「荒野行動」でも違反行為とされている。
チーミングが行なわれたのは5試合目。4試合目が終わった際の両チームの順位は「DgGZWEI」が4位、「DgGteamEINS」は13位だった。その結果を踏まえ、「DgG」の監督から両チームの選手達へチーミングの指示が行なわれた。最終戦となるマップは嵐の半島。ランキング上位につけている「DgGZWEI」に対して、「DgG」のランドマーク(初期下降地点)である湖畔へ降りるように伝えると、「DgGteamEINS」に対してはランドマークをランキング1位の「ちーむえーけー!!」に合わせるように指示。お互いのランドマーク地点を、試合が行なわれる前から「DgG」選手全員に対して監督より指示されていたことが判明した。
大会の最終結果は、1位「ちーむえーけー!!」、2位「Risky」、3位「DgGZWEI」となっていたが、不正行為発覚により4位だった「ショベル」が繰上がりにより3位となった。また、「DgGZWEI」、「DgGteamEINS」の成績は取り消されている。
4試合目終了時の順位公式発表後の順位表「DgG」は処罰を受けたことについて、「DgG」運営の認識の甘さによるものとし、8月16日付でチームを解散することを発表した。また、8月15日に作戦を指揮していた監督のやあ氏、運営マネージャーである遊大氏が責任を取り自ら辞任を表明していた。両チームの選手達は、各々Twitterを通して、「監督からの指示に反論できず従うしかなかった。大勢の方を失望させてしまい責任を感じている」といった反省の意を現わす発言をしている。
今回このような事態に発展してしまったが、オンラインゲームでのチーミングといった不正行為を完全に防ぐことは難しいだろう。だが、賞金を懸けて競い合うeスポーツ大会において、極めて悪質とみなされる行為であることを「DgG」運営側も認識し、チームを解散させるまでの重い決断を下したのではないだろうか。
近頃は華やかなイメージがあるeスポーツ選手だが、善悪の判断ができても監督に従うしかなかった状況や、勝利することで結果を出さなければならない厳しい世界に身を置いているということを改めて認識させられた出来事である。「DgG」の選手達が今後は所属を変え、eスポーツ大会で活躍してくれることを願うばかりだ。
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