多機能なAV機器では、分厚い説明書が付属してゲンナリするのがお決まりだが、NR1710の場合はとりあえずHDMIケーブルでテレビと繋いでしまえば、ぶっちゃけ説明書は一切開かなくてもセットアップできてしまう。
スピーカーケーブルの接続、プレーヤーなどの機器接続をセットアップアシスタントの指示に従ってやるのだが、この親切ぶりが凄い。どのくらい凄いかというと、スピーカーケーブル先端の“剥き方”まで、アニメーションイラストを交えて説明してくれる。
スピーカーケーブル先端の“剥き方”まで、アニメーションイラストを交えて説明背面のスピーカーターミナルもカラフルに色分けされており、どの端子に、どのケーブルを繋げばいいか一目瞭然だ。
スピーカーターミナルもカラフルに色分けされており、どの端子に、どのケーブルを繋げばいいか一目瞭然ちなみにHDMI入力は8系統も備えている。薄型とはいえ、端子数は十分だ。もちろん4K/60p映像のパススルーが可能で、4K/60p/4:4:4/24bitや、4K/60p/4:2:0/30bit、4K/60p/4:2:2/36bitなどもサポート。BT.2020やHDR映像のHDR 10、Dolby Vision、HLGもサポートしている。
音質面の設定も楽ちん。専用マイクを使ったオートセットアップ機能「Audyssey MultEQ」を搭載しており、フロントの端子にマイクを繋ぎ、スピーカーからの音を最大6ポイントで測定。スピーカーとリスナーの距離、レベル、サブウーファのクロスオーバー周波数を最適な状態に自動設定してくれる。
測定用マイクは、ユーザーの耳のあたりに設置する必要があるのだが、なんと、設置用のスタンドまで製品に付属している。紙製の組み立て式だが、組み立て自体は超簡単で5分もかからない。逆に自分で作りながら設定していくのは、DIYっぽくて楽しい。ナビに沿って測定を開始すると、スピーカーから「ビュイ、ビュイ」という音が出て測定完了。ネットワークの設定もすれば、セッティングは終了。初めてAVアンプを買う人でも、問題なく完了できるだろう。
紙製のスタンドを組み立て、測定用マイクをセット測定中の画面便利なサポート機能と言えば、NR1710から新たに「HDMIインプットオートリネーム機能」が追加された。これは、例えば「CD」と名前がついたHDMI入力に、Fire TV Stickを接続すると、入力名が自動的に「Fire TV Stick」になるというもの。入力名自体は手動でカスタマイズできるのだが、面倒な手間をかけずにわかりやすくしてくれるのは嬉しい。AV機器に詳しくない家族に「Fire TV Stickを見たい時は、入力をCDにしてね」などといった呪文のような説明をしなくて済むわけだ。
Fire TV Stickを接続しておくと自動的に入力名が「Fire TV Stick」にHDMIまわりでは、さらに3つの機能追加がある。1つは「eARC(Enhanced ARC)」だ。ARC(オーディオリターンチャンネル)はご存知の通り、対応するテレビとHDMI接続した際に、テレビの音声をAVアンプへと伝送し、AVアンプに繋いだスピーカーから再生できるようにするもの。AVアンプからテレビへの伝送と、その逆の伝送もできるため、テレビとの接続がHDMIケーブル1本で済む便利な機能だ。
eARCはその機能強化版。最近のテレビでは、Fire TVのようなプレーヤー端末を接続しなくても、テレビ自体に映像配信サービスの再生アプリがインストールされているが、そうした機器とHDMI接続した場合、eARCに対応していれば、リニアPCM 5.1chや7.1chだけでなく、Dolby TrueHD/DTS-HD Master Audioなどのロスレスオーディオ、Dolby Atmos/DTS:X などのオブジェクトオーディオまで、高音質を保ったまま伝送できる。細かな話だが、テレビのアプリ搭載が当たり前になる中、要注目機能だ。
「ALLM(Auto Low Latency Mode)」は、ALLMに対応したゲーム機、およびテレビと接続すると、ゲームプレイ時にAVアンプとテレビが自動的に低遅延モードに切り替わり、映像の遅延を低減するというもの。
最後は「マルチインプットアサイン」。これは、1つのHDMI入力を、同時に複数のインプットにアサインできるもので、例えば、スポーツの映像を入力しているHDMI端子を選択すると、テレビやプロジェクタにはスポーツの映像と音声が映るが、そのHDMI入力に対して、出力する音声としてCD入力をアサインできる。これにより、スポーツの映像を表示しながら、音声はCDからの音楽を流すなど、“スポーツバーのような雰囲気”を再現できる。
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