LE Audioにおける大きな変化のひとつには、新オーディオコーデック「LC3」の登場が挙げられます。LC3は必須コーデックとされているため、あらゆるLE Audio対応機器でサポートされることになります。LC3は「Low Complexity Communications Codec」の略で、高品質・低消費電力が特長です。従来のBluetoothオーディオ(Classic BluetoothのA2DP)の必須コーデック・SBCより大幅に効率化されており、SBCと同等の音質を半分ほどのビットレートで実現できるといわれています。
LC3では、SBCよりも低いビットレートで高音質を実現できますLC3をどのように実装するかは、送信側機器(ソースデバイス)と受信側機器(シンクデバイス)の設計/設定次第です。たとえば、消費電力節減を重視するのであれば、オーディオ品質はSBCと同等にします。ビットレートが約半分で済むため、消費電力も半分で収まるというしくみです。反対にSBCと同等のビットレートであれば、消費電力はほとんど変わらないままSBCを大きく上回る音質が手に入ることになります。なお、LC3はLE Audioを前提に開発されてきた経緯はあるものの、LE Audio専用設計ではありません。aptXやLDACのように、Classic Bluetoothのオプションコーデックとして実装することも可能であり、Bluetooth SIGもその可能性を認めています。実際、LC3はClassic Bluetoothのハンズフリープロファイル(HFP)での採用が見込まれています。ヘッドセットを通じて聞く声は、従来のコーデックではかなり劣化して感じられますが、LC3がサポートされればかなり自然な印象に変わるはずですよ。カテゴリー
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