Philips(フィリップス)は、そのサウンドはもちろん、人間工学に基づいたデザインでヘッドホンやイヤホンの付け心地にもこだわっている。今回取りあげるBluetoothイヤホン「SHB5950」は、ソフトラバーネックバンドを採用することで装着感を高め、ワイヤレスの快適さをとことん追求した。本機の実力を海上忍氏がチェックした。
PHILIPS「SHB5950」¥OPEN(予想実売価格13,000円前後)。 カラーはブラックとホワイトを用意する■Bluetoothイヤホンは「スタイル」で選ぶ今年の後半、イヤホンのトレンドに大きな変化が生じた。iPhone 7をはじめとしたスマートフォン新製品が次々にイヤホンジャックを廃止、それを受けた消費者がBluetoothモデルを指向したからだ。スマートフォン用の選択肢としては、LightningやUSB Type-Cというワイヤードモデルもあるが、デザインや操作性など総合的に判断して消費者はBluetoothモデルを好んだということだろう。Bluetoothイヤホンのなかでも、その「スタイル」は実際に製品を選ぶ際の最重要トピックになる。ネクタイピン状のレシーバー部から左右のケーブルが延びる従来型に加えて、首にかけるレシーバー部の左右両端からケーブルが延びるネックバンド型、左右が完全に独立し無線伝送を行う完全セパレート型も登場した。どのスタイルを選ぶか、それがBluetoothイヤホンの満足度に直結すると言っていい。■フィリップスからネックバンド型Bluetoothイヤホンが登場ここに紹介するフィリップスの「SHB5950」は、ネックバンド型のBluetoothイヤホン。首にかかるネックバンド部を小型し、材質にソフトラバーを採用することで心地良いフィット感を目指したという。バッテリーの充電時間は約2時間、持続時間は音楽再生/通話時で最大7時間。対応コーデックはSBC、マルチペアリングは最大2台だ。SHB5950のブラックモデルスペックだけを眺めると、数多あるBluetoothイヤホンのひとつとして見過ごしてしまいそうになるが、日々を共に過ごしてみると印象が変わる。前述した"心地よいフィット感"が琴線に響くといおうか、実に扱いやすいのだ。まず、軽い。ネックバンドとハウジングを合わせた総重量はわずか30g、ソフトラバーは文字どおり柔らかなうえベタつかず、軽さもあって首にかけたときの違和感が少ない。ネックバンド型だから、周囲の音を聞きたいときにはカナルを耳から外して首もとにぶら下げておけばいい。装着したままでも気にならず、とっさの場面で対応しやすいのはネックバンド型ならではのアドバンテージといえるだろう。ネックバンドの左側にボタンを配置。ボタンの下側に電源スイッチが用意されているネックバンドはソフトラバーなので、写真のように大きく変形させることができるイヤホン部には強磁力マグネットを採用した8mm口径ドライバーを搭載そして、扱いやすい。ネックバンド左側はコントローラを兼ね、再生/停止や曲スキップ、音量調整などBluetoothのAVRCPプロファイルで定める操作を行うことができる。それ自体はBluetoothイヤホンであれば当たり前の機能だが、3つのボタンは指で触れれば違いがわかるよう立体的に造形されており、操作のとき迷わない。Bluetooth 4.0のBattery Service Profileにも対応、スマートフォンの画面でバッテリー残量をチェックできることもポイントだ。iPhoneをBluetooth接続して、Spotifyの音源を主に再生した■一貫した"フィリップスらしさ"の理由とはSHB5950の音は、一聴して"フィリップスらしさ"を感じさせる。その"らしさ"とは、低域から高域までフラット傾向でありながら聴く者を飽きさせないバランスの妙味であり、フィリップスブランドのヘッドホン/イヤホンに一貫して存在するものだ。同社サウンドエキスパート「Golden Ears」の味付けがここでも保たれている、と言い換えてもいいだろう。カテゴリー
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