『牛首村』キャストを直撃!前進力あふれる言葉が次々と飛びだした
清水崇監督がメガホンを取り、心霊スポットやいわくつきのエリアなどを舞台に恐怖に飲み込まれる人々の姿を描く「恐怖の村」シリーズ。第3弾となる『牛首村』(公開中)は実在する心霊スポット・坪野鉱泉でロケを敢行した意欲作で、ゾクゾクするような恐怖だけでなく、ある村の秘密や家族愛が浮き彫りとなるドラマチックなホラー映画として話題を呼んでいる。そこで本作が女優デビュー作となったKoki,、萩原利久、高橋文哉を直撃。ホラー映画の撮影現場で固い絆を育んだという彼らは、この日も笑顔いっぱい。「これから様々な役に挑戦してみたい」というKoki,が目指す女優像を明かすとともに、萩原&高橋と“自身を支えてくれる言葉”までを語り合った。【写真を見る】Koki,白の透け感ドレス姿が美しい!■「演じることの楽しさや魅力を感じられるようになりました」(Koki,)本作は『犬鳴村』(20)、『樹海村』(21)に続く「恐怖の村」シリーズの第3弾。ある心霊動画に自分そっくりな女子高生の姿を見つけた奏音(Koki,)が、動画の撮影地・坪野鉱泉へと向かい、“牛首村”にまつわる恐るべき秘密と忌まわしい風習に触れていくさまを描く。Koki,が不可解な出来事に巻き込まれる女子高生姉妹の一人二役を演じ分けていることでも話題となっており、萩原は奏音に思いを寄せるクラスメイトの蓮、高橋は奏音の妹である詩音の恋人・将太を演じている。ーーKoki,さんは今回、女優デビュー作にして一人二役という難役を演じています。繊細な感情表現から絶叫、号泣など体を張ったお芝居にもトライされましたが、本作を通して成長できたなと感じていることはありますか。Koki,「ものすごくすてきな経験をさせていただき、学ぶことがとても多かったです。成長したと思うのは、集中力。演じることの楽しさや魅力を感じられるようになりました。一人二役については、奏音と詩音の違いを出そうと意識するのではなく、自分と奏音と詩音、それぞれとの共通点を探すことを心掛けていました。詩音には女の子らしさがあるな、など2人の性格をいろいろと考えました」■「2人の明るさに何度も救われていました」(萩原)ーー萩原さんは奏音に思いを寄せる役柄、高橋さんは詩音の恋人という役どころを演じています。Koki,さん扮する奏音、詩音をご覧になった印象を教えてください。萩原「僕はこれまで一人二役を演じたことがないので、現場に入るまでどういうことになるのか想像がつかなかったんです。現場では必ずしも順撮りではなかったので、Koki,ちゃんはその日のうちに奏音と詩音の両方を演じないといけないこともあるなかで、しっかりと奏音と詩音が切り替わっていて。現場にいてもそれがわかるので戸惑うこともなく、“変わった”ということを肌で感じ取ることができたので、すごいな!と思いました」高橋「僕が演じる将太は、奏音、詩音と3人で一緒にいるシーンも多かったので、奏音の衣装のまま詩音役のリハーサルをしたり、詩音の衣装のまま奏音役のリハーサルをしたりする場面にも立ち会うことができました。そんななかでもKoki,ちゃんのまとうオーラが変わるんです。将太の心情すらも変える力が、Koki,ちゃんが演じる奏音と詩音の両方にあって。僕はそこに救われながら、最後まで演じることができました」ーー撮影現場で一緒に過ごすなかで、お互いの意外な一面を目撃したことはありますか?Koki,「お2人と初めてお会いしたのは、本読みの時でした。利久くんはとても明るい方だなと思って。文哉くんは優しい雰囲気のある方だなと思いました。撮影をしていくにつれて、利久くんはこんなにもお茶目かつ、キュートでフランクな人なんだと感じたりもして(笑)。文哉くんは優しくて、明るくて、周囲を笑顔にしてくれる人だなと思いました」萩原&高橋「ありがとうございます!うれしいです(笑)」萩原「3人のなかでは僕が最年長ということもあって、最初は勝手に構えてしまっていたところがあって。でも2人とも明るくてまっすぐで素直で、同級生のような感覚で話してくれたので、すぐに打ち解けることができました。Koki,ちゃんは本当に明るいですよね。たぶん3人のなかでも、一番明るんじゃないかな?太陽のようで、みんなに光をくれるようなエネルギーがあると思っています。Koki,ちゃんは僕のことをお茶目だと言ってくれましたが、文哉は僕よりもお茶目なんじゃないかなと思います。少年のようなところがある(笑)。僕は2人の明るさに何度も救われていました」高橋「ありがとうございます。Koki,ちゃんは勝手にクールなイメージを抱いていたんですが、いざお会いしてみるとすごく明るくて光のような存在で、そのギャップに驚きました。利久くんとは、本読みの前にちょっと2人でお話しする時間があったんです。僕は人見知りなところがあるので『どうしよう、なにを話したらいいんだろう』と悩みながらその場にいたんですが、利久くんが食べ物の話をしてくれたり、僕に質問をたくさんしてくれたりと気を使ってくださって。優しい先輩だなと思いました」ーー坪野鉱泉という実在する心霊スポットでも撮影を敢行しています。実際に訪れたことで、怖い体験されたことはあったのでしょうか…。Koki,「日中に撮影をしている時の建物の雰囲気と、夜に撮影をしている時の雰囲気がまったく違うんです。夜はなんだか寒気がするようで、後ろを見たくないな…と思うくらいとても怖かったですね」萩原「小さなことでもいいから、こういう場で話せるようなことがなにか起きないかなと思ったりもしたんですが(笑)、なにも起きることなく無事に今日を迎えることができました。みんな無事でよかったです。坪野鉱泉は、屋上から見える景色がすごくきれいで。昼間は心霊スポットだと忘れるくらい、いい景色のなかで撮影をしていました」高橋「僕は昼間に撮影をしたので、緑もたくさんあって自然を感じたりもしたんですが、これが夜だったら怖いだろうなと思っていました。何事もなく終えられることができて本当によかったです。先日、富山の方とご一緒することがあって『坪野鉱泉に行った』と話したら、『あそこは本当にヤバいところだよ』と言われて…。地元の人からもそんなふうに言われているところなんだと思うと、いまさらながら少し怖くなっています(苦笑)」■「変化し続けられる俳優になれたらいいなと思っています」(高橋)ーー本作での新しいチャレンジを経て、今後はどのような俳優さんを目指していきたいと感じていますか。Koki,「本作に出演させていただき、俳優として歩んでいきたいという意志が固まりました。これから、様々な役に挑戦してみたいと思っています。映画を観ていると、本当にその人がこの世に存在しているのではないかと思わせてくれる俳優さんがいらっしゃいます。役柄によって雰囲気や放つものも変化して、人々を魅了する俳優さんって、本当にすごいなと思います。私も誰かの心を動かすことのできるような俳優になれたら、とてもうれしいです。個人的に好きな俳優さんは、ジュリア・ロバーツさんやシャーリーズ・セロンさん、アル・パチーノさんです」萩原「20歳ぐらいまでは高校生の役を演じる機会が多く、社会人の役をやってみたいなと思っていました。22歳のいま、だんだん制服を着る機会も減ってきて、逆に制服を着られるうちは着ておきたいなと思うようになりました(笑)。実年齢に近い役をできることもうれしいですし、ある種、年齢不詳のような存在になれたら、役者としてもおもしろいのかなと思っています」高橋「“役と一対一でしっかりと向き合う”ということを、一生の抱負として胸に刻んでいます。今回ホラー映画に挑戦させていただいて、僕自身、新しい発見がたくさんありました。そうやってどんな作品でも新しい自分を見つけて、撮影に入る前と後では自分の感性もまた豊かになっているような、変化し続けられる俳優になれたらいなと思っています」ーー皆さんからはとてもポジティブなオーラを感じます。自分を励まし、支えてくれるような言葉として思い出すものがあれば教えてください。Koki,「私は家族からの言葉に支えられることが多いです。いつもたくさんアドバイスをもらっています。特に父と母が教えてくれた、“何事にも全力で、愛を持って楽しく”という言葉を大切にしながら、日々を過ごしています」萩原「僕はスポーツが大好きで、バスケットボール選手のコービー・ブライアントの“マンバメンタリティ”という言葉にいつも勇気をもらっています。“飽くなき向上心を持ってよりよい自分を追求し続ける”という彼の姿勢は、表現者にも通じるようなものがあると思っていて。明日の自分が今日よりも少しでも成長できていられるよう、自分の進む道にゴールを決めることなく永遠に追求、探求していけば、それはいい作品づくりにも繋がっていくのかなと感じています」高橋「WANIMAさんの『リベンジ』という歌の歌詞で、『辛い過去は現在未来の材料』というフレーズがあって。高校生の頃に家でイヤホンをしていたらたまたま『リベンジ』が流れて来て、その歌詞がものすごく脳裏に焼き付きました。当時の僕は調理師を目指していたので、まさか俳優の道を進むとは思っていませんでしたが、『辛い過去は現在未来の材料』という言葉は当時もいまも変わらずに大切にしている言葉です。なにもかもが未来への明るい欠片として見られるようになると、キツイな、しんどいなと思うこともなくなります。『眠いな…』と思うことはありますが(笑)、どんなに大変なことがあっても前を向くことができます」萩原「『眠いな…』と思うことも非常に共感できるところではありますが、本当にそうですね。どんな現場でも振り返ってみると、楽しかったなと思ったり、自分自身にとって大切な経験になっている気がします」Koki,「今回の現場もみんなでとても楽しく過ごすことができて、本当に大切な経験ができたなと思っています」取材・文/成田おり枝※Koki,の「o」はマクロン付きの「o」が正式表記
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