これまで4回にわたって『クロスビーツ』、『Deemo』の神プレイを披露してくれた音楽ゲーマー・つーえる。彼はかつてKONAMIのアーケードゲーム大会“KONAMI Arcade Championship(以下KAC)”の『jubeat』部門で、2011年準優勝、2012年優勝し、現在は『クロスビーツ』のRPランキング(プレイヤーの腕前を示す指標のひとつ)でトップを走る、名実ともに日本屈指の音楽ゲーマーだ。
今回はそんな彼にインタビューを敢行。彼の音楽ゲームにハマったキッカケから、現在の音楽ゲームの楽しみかたについて聞いてみた。
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――ゲーム歴はどのくらいになりますか?
つーえる 4歳くらいでスーパーファミコンの『ドンキーコング』をプレイしていて、今23歳なので19年くらいです。『モンスターファーム2』や『アストロノーカ』といった育成ゲームが好きでしたが、10歳のころに音楽ゲームと出会ってからは、ほぼそれ一色ですね。自分は上下に兄弟がいて、兄にゲームで勝ったことがなかったんですよ。それが初めて『Dance Dance Revolution』で勝てて、それ以来人生のモチベーション的な意味でも変わりましたね(笑)。
――そのくらいの歳だと、アーケードゲームは割高ですよね。
つーえる そうなんですよ。だからアーケードではなくメインは家庭用でやっていたので、『Dance Dance Revolution』はパネルよりマットのほうが慣れていました(笑)。それからほかのリズムゲームも触っていって、とくに『ポップンミュージック』にはハマっていました。
――ちなみにこれまでホームにしていたゲームセンターはどこですか?
つーえる 最初はゲームガレージ須賀川店で、その後は郡山の駅前のゲームセンターに行って。でもどこも大体潰れちゃったんですよね……。今はラウンドワン郡山店がホームになっています。
――そうした紆余曲折あって『jubeat』で音ゲーマーとして頭角を現すと。
つーえる 2008年の『jubeat』リリース後すぐに始めましたが、プレイ回数的にもかなりハマりましたね。一作で初めて1000クレジットまでやったゲームでした。食費を削りつつ(笑)。
――『jubeat』ではKACでも上位に入りましたね。
つーえる 2011年と2012年に出場しましたが、2011年は最後の最後、あと1秒というところで大きなミスをしてしまい準優勝で……。でもその経験からプレッシャーに耐性ができたおかげか、2012年は無難にまとめて優勝できました。
――いまもアーケードゲームはプレイされているんですか?
つーえる それが……仕事を始めたのと『クロスビーツ』の影響もあって、あまりゲームセンターに行かなくなっちゃいました(笑)。
――その『クロスビーツ』ですが、いつからプレイしていますか?
つーえる 2013年の東京ゲームショウで発表されたときからですね。「ようやくiOSでガチの音楽ゲームが来たな」と衝撃を受けて、このために新型のiPad Airを購入しました。
――ふだんはiPhoneでプレイはされるのですか?
つーえる 自分がいま使っている端末がiPhone4なので……。一応プレイ自体はできるのですが、ログインボーナスを取るだけとか、ランキングを見たり、譜面を確認したりするくらいですね。きちんとプレイするときはiPadです。
――月にいくらくらい課金していますか?
つーえる なくなったらiTunesカードで補充、みたいな感じなので細かく数えてないですね。月に2万円くらいでしょうか?
――プレイ時に気をつけていることは?
つーえる まず自分は、リズムゲームは緊張感の有無で大きく結果が変わると思っています。お金がギリギリなときと余裕があるときの差ですね。心に余裕があると無難に済むので、自分は惜しみなく課金しています。それでもある程度緊張感を保つために、毎回小さくても目標を設定します。漫然と難易度が高い曲ばかりプレイしてもクレジットの無駄になるだけですから。意識してプレイしないと上達はしないですね。
――ふだんのプレイ時のスタイルはどういった体勢とかでやられていますか?
つーえる 地面に直に座って、できるだけリラックスしています。また反射光を入れないよう電気は消します。あとは多くのプレイヤーがやっているようにイヤホンを付けていますね。『クロスビーツ』は判定にラグがあるので、iPadをタップした時の物理的な音が邪魔なんです。イヤホンをするとその音が聞こえなくなり、ゲーム上の音だけに集中できるのでリズムが合わせやすいんですよ。これをするとスコアが伸びると思いますよ。
――プレイしていて好きな曲はありますか?
つーえる 『クロスビーツ』はとにかくイイ曲が多いから悩みますね……。曲だけなら『Aqualight』で、譜面も合わせて考えると『Sundrop』です。裏打ちのハイハットに合わせて真ん中にスライドするのがとにかく楽しいです。
――これからの『クロスビーツ』に望むことは何かありますか?
つーえる まずはチケット上限を増やしてほしいですね。最低でも20枚は欲しいです。自分はプレミアムチケットを買うのが当たり前になっているのでいいのですが、現状の10枚だと未体験のプレイヤーには少しオススメしづらいかなと……。あとは判定がずれている譜面がまだあるので、それは改善してもらいたいですね。
――『クロスビーツ』以外に好きな音楽ゲームを教えてください。
つーえる 『Deemo』はリズムゲームとして革新的ですね。とにかく雰囲気満点な世界観。また雑音が多いゲームセンターのゲームでは主張の強い曲がメインになりますが、『Deemo』は静かなピアノ曲がメインなのでその点が新しいです。判定だけは少し残念ですけど。あとは『jubeat plus』の譜面を自分で作る譜面エディットは楽しいですし、『リフレクビート』や『太鼓の達人』は、反応がよくてゲーセンと同じ感覚でプレイできるのが好きです。
――今後の音楽ゲームに期待することをお願いします。
つーえる 最近自分が物足りないと感じているのが演出面に関してです。たとえば簡単な例だと、エンディング画面がないとか……。ユーザーとしては確かにプレイさえできればいいのですが、「ただプレイしているだけ」というのも寂しいですね。何か達成したときは「バン!」と印象的な演出をしてくれたら、もっとリズムゲームをプレイしている感動が増えると思います。
――今日はありがとうございました!
まだあどけなさ残る彼だが、音楽ゲームをプレイする表情は真剣そのもの。10歳のころからやり始めたためか、腕、手のひら、指の関節と言った部分は、見た目とは相反してかなりがっしりとしていた。これが音楽ゲームに費やしてきた神の姿なのだろう。大学を卒業後、就職をして働きながらも、仕事の休み時間や休日にはひたむきにiPadに向き合う姿勢は、まさにプロの職人。音楽ゲームをとことん愛する彼のプレイを、これからもファミ通Appは応援していきます。
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