アップルは厳しい秘密主義で知られており、特に本社屋のアップルパーク(Apple Park)には従業員以外はほとんど立ち入ることができません。そんな「地球上で最も秘密の場所のひとつ」といえる場所で、フランスのニュースチャンネルTF1が撮影を許され、内部の映像を収録するとともに同社のトップ幹部らに話を聞くなど独占取材を行いました。
全世界的な新型コロナ感染拡大以前、アップルの新製品発表イベント等はアップルパークで行われていました。が、それでも招かれたゲストの行動はスティーブ・ジョブズ・シアター(1000席の地下講堂。キャンパスの丘の頂上にある)内に限られ、メインの建物には入れないという厳しい制限がありました。
TF1は、そのアップルパーク内の新たな映像を公開しています。そこではスタッフがアップルの次世代ハードウェアや、ソフトウェア、サービスについて話している様子や、おそらく作業している様子が捉えられています。
しかし予想通り、映像では未発表の製品は映されず、それらが置かれていそうなオフィスや部屋の様子もぼかしが掛けられています。また従業員らも身元を隠すためか後ろ姿だけ、あるいは顔もぼかして映されている徹底ぶりです。
TF1いわく、アップルパークに滞在中は多くのドアが閉じられたままで、どこを撮影しても後でアップルと交渉になったとのことです。「秘密の文化はあらゆる瞬間に感じられる」とも言われており、頻繁にチェックが入って苦労したことが察せられます。
またTF1は、何人かのアップルのトップ幹部らのインタビューも行っています。まず本社屋とアップル創業者の1人スティーブ・ジョブズとの関係を語っているのは、マーケティング担当上級副社長のグレッグ・ジョズウィアック氏です。
ジョズウィアック氏いわく「スティーブ・ジョブズがアップルパークを構想したとき、未来のためのオフィスを作りたかったのです」「人々がオフィスを離れ、偶然に出会い、協力し、アイディアを交換する場所を求めていたため、歩ける場所にしたかったのです」とのことです。
ほかTF1の記事では、アップルの最優先事項の1つである「健康」につき、同社の健康担当副社長スンブル・デサイ氏の談話も伝えられています。デサイ氏はApple Watchの健康関連機能にも深く関わっている人物です。
デサイ氏によれば「わが社の目標は、ユーザーや医師にとって有益なデータを提供することです。医者と患者の関係に取って代わるのではなく、それを改善したいのです」とのことです。
さらにデサイ氏は「とても重要なのは、ユーザーが(機器が収集するのを)許可するデータを要素ごとに選択可能なことであり、アップルはユーザーのデータを一切受け取り、見ることはありません(中略)これらのデータはデバイスの内部に留まります」と付け加え、健康データに関するプライバシー保護の原則を強調しています。
かなりの制限付きであれ、アップルが本社屋内の撮影を許したことは驚きとも思えます。が、アップルは新型コロナの感染再拡大と新変異株の急速な広がりを受けて、従業員らの本格的なオフィス復帰を来年2月に先送りすると発表したばかりです。ちょうど職場にいるスタッフの人数が少ないタイミングだからこそ、例外的に許可したのかもしれません。
Source:TF1
via:9to5Mac
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