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ABEMA(アベマ)発、不動の人気を誇る恋愛番組『オオカミ』シリーズの最新作『彼とオオカミちゃんには騙されない』が2月20日に放送開始となる。【写真】『オオカミ』シリーズで味わえる胸キュンシーン ここのところ、“恋をしない嘘つきオオカミ”が男女どちらにいるかわからないというルールが続いたが、今回は『月とオオカミちゃんには騙されない』ぶりにオオカミちゃんが女性メンバーに1人以上潜んでいるというルールが復活する。 前作『虹とオオカミには騙されない』では、タイトルにちなんで、オオカミはメンバーと2人きりで虹を見た場合、虹が出ている間は一切の嘘をついてはいけないという、通称“虹ルール”が追加となり、これがまたメンバーの恋模様により一層の色彩を与えた。今作もタイトルの“彼”にまつわる新ルールが発表されるようで、それもまた楽しみだ。 現在、地上波での恋愛ドラマは主人公の年齢設定も“アラサー”であることが圧倒的に多く、演じる俳優陣も30代。いまや、純粋に恋愛のみにフォーカスした作品はごく少数派で、多くが仕事や女性の生き方などの問題を絡めてその中で恋愛もあくまで“いち要素”として描かれる。ともすれば、王道の胸キュンを体験できる機会が減っているとも言えるが、そんな時だからこそこの『オオカミ』シリーズをおすすめしたい。 『オオカミ』シリーズでは、課せられる“共同作業”によって男女メンバーは距離を縮めていく。しかしやっと関係値が出来上がってきたところで様々な“制約”や“ルール”が足かせとなり、時に残酷な運命のいたずらがもたらされるのだ。恋愛模様を加速させていくなか、惹かれ合う2人を容赦なく引き裂いていく仕掛けが存在する。 しかし、そんな制約がありながらも、『オオカミ』シリーズ史上前代未聞の御法度を犯してまで自身の本気の想いを相手に伝えた人物としていまだに記憶されているのが、ラッパーのさなりではないだろうか。 あいりる(古田愛理)からの一途な想いに、オオカミでありながらも心動かされ、本気の恋に落ちてしまうさなり。視聴者に最も疑われた1名が脱落してしまう「オオカミくん投票」により脱落、その後復活が決まった彼は、自分自身がオオカミであることをどうしても自分の口から直接伝えたいと考え、あいりるに向けて作った曲「Flow Love」に自身の想いを託す。そこには彼女への想いだけでなく、自身の正体にも繋がる決定的なヒントが隠されており、「“Flow”を反対に読むと……」というまさかの展開に、スタジオからも視聴者からも「鳥肌が立った」との声が漏れるほど、衝撃と号泣の伝説回となった。 オオカミである人物が、とんでもなく切なくドラマチックな結末をもたらしたのは、“そたりこカップル”として今も人気が高い曽田陵介と莉子の2人きりのデートでの一幕だろう。曽田からの真っ直ぐな好意を受けて、自身がオオカミちゃんである罪悪感から思わず泣き出してしまう莉子。曽田はその瞬間に全てを悟ったが、それでもどうにもならないとわかりつつも最終告白で想いを伝える。それに対する莉子からの手紙と、いつだって莉子のことを第一優先に行動する曽田の健気さは涙なしでは観られない。 『オオカミ』シリーズの“ストーリーテラー”として史上初2シーズンに渡っての参戦となったTakiは、なんとも美しい映画のワンシーンかのような名場面を残してくれた。自身のライブ後に意中の相手・そら(井上想良)を呼び出し、イヤホンを片耳ずつ分け合いながら向かい合って手を取り、曲に合わせて一緒に踊る2人。その姿が月夜に照らされて、何とも甘美だった。イヤホンから流れる曲の意味を聞かれたTakiは「Your smile makes me brake(あなたの笑顔に私はやられた)」と英語で伝え、あまりに絵になりすぎる光景で、ドラマ以上にドラマチックなシーンに思わず見惚れてしまう。 そんなTakiに対して一途に自身の好意を伝え続けた年下男子・しょうた(西岡星汰)のひたむきさもまた眩しかった。Takiから誘ってもらったデートで思いがけないプレゼントをもらった西岡は、何か自分も返したいと咄嗟にその場にあったコースターの裏に2人の思い出の花・ひまわりのイラストを描く。「何とかして好きな人を喜ばせたい」という混じり気なしのどこまでも真っ直ぐな想いに心打たれた視聴者も少なくなかっただろう。 恋心が芽生える瞬間から立ち会えて、その恋心が紆余曲折を経ながら育っていく過程をたっぷり堪能できることこそ『オオカミ』シリーズの醍醐味。恋愛の天にまで昇るほどの喜びと、同時に相手の何気ない一言に振り回され、本心が見えないと途端に不安になるどうしようもない苦しさと……。一気に様々な感情を巻き起こす“恋”には、その威力と生々しさをまざまざと思い知らされる。 恋愛を通して、自分自身を見つめるきっかけを得て変化したいともがいたり悩んだり、ジタバタしながら成長していく姿は人間くさくてリアルでとても魅力的で、観る者の心まで動かし揺さぶる。そのなかで、本当に“魂が震えるような瞬間”に出会えてしまうから、彼らの恋愛模様からどうしたって目が離せなくなってしまう。最新作でもきっと時に心をかき乱されながら、とびっきりの一瞬に出くわせるに違いない。
佳香(かこ)
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