■VGP2019SUMMERで「ライフスタイル大賞」受賞の注目モデル今やイヤホンといえば「完全ワイヤレス」というほどの大ブーム。メーカー数も製品数も増え、選択肢が増えたのは嬉しい反面、選ぶのも一苦労の状況だ。その完全ワイヤレスイヤホン、製品全体の特徴として「似たモノ」が多いことにお気づきではないだろうか?実は、完全ワイヤレスイヤホンをOEM/ODM供給できる工場(企業)が未だ限られるため、手頃な価格で製品化しようとすると、ブランドは違っても同じ工場で作られ、差別化はケース違いや色違い程度に止まりがちなのだ。もちろん、「手頃な価格」も大切な要素なので決して悪いことではないが、没個性で趣味の用途にはモノ足りないだろう。こうした状況下に登場した燦然と輝く個性派が、AVIOTの「TE-BD21f」だ。
「TE-BD21f」¥17,500(税抜)いち早く完全ワイヤレスに注力してブレイク、大手と並ぶシェアを誇るAVIOTが、肝入りで個性と高音質を追求したのが本機であり、VGP2019SUMMERにおいてライフスタイル分科会の最高賞「ライフスタイル大賞」を獲得、オーディオマニアからも熱い視線を浴びている。今回は、そんな異端児ともいえる個性派のTE-BD21fをレビューする。■完全ワイヤレスで世界初 “トリプルドライバー構成” を採用まず本機の特徴は何と言っても、完全ワイヤレスタイプとしては世界初となるトリプルドライバー構成。バランスド・アーマチュアドライバー2基とダイナミックドライバー1基で、低域から高域までワイドレンジな高音質を狙った豪華仕様である。また、バランスド・アーマチュアドライバーは「AVIOT」の刻印が施された専用品とのことで、ダイナミックドライバーも完全ワイヤレスとしては大口径の直径9mm振動版とネオジムマグネットの組み合わせ。さらに低域から高域まで0.1dBレベルの繊細なチューニングが施されている、言い換えればそれほど精度にこだわるという心意気に敬意を表したい。本体ハウジングはジュラルミン(強度の高いアルミ合金)の削り出し素材で、金属を用いながらも片側5.4gの軽量性を実現。イヤーチップはSpinFit社と共同開発した「CP355」が付属し、装着感と音質の両面で期待できる。イヤーチップはSpinFit社と共同開発した「CP355」が付属するユーザーからの要望に応え、ネックバンド型モデルのように使用できるようになる紛失防止用ストラップも付属する使用するSoCは、安定した接続性と音質の両面で定評があるQualcomm社のQCC3020を採用。コーデックはSBCとAACに加え、aptXにも対応している。■耳にやさしく収まるフィット感。ガイダンス音声も心地よいまず充電器兼用のケースを手に取ると、コンパクトで引き締まった印象を受ける。こだわりがあれこれ詰め込まれているにもかかわらず、一般的な完全ワイヤレスイヤホンと同等のサイズ感なのだ。充電ケースはコンパクトで、実際に持ってみても軽い天面のフタにはジュラルミンを採用しており、ダイアモンドカット&ヘアライン風に仕上げた。その一方で、ケース下部には樹脂を採用しながらも、色に深みが出るよう塗装することで、全体の質感を高めるとともに軽量化を実現。イヤホン込みの総重量は62gで、おおよそMサイズの卵を想像すると良いだろう。フタはスライド方式で、イヤホンを取り出したり仕舞う際にはカチッと音がするまで開いて使う。次にイヤホン本体をつまむと、見た目よりも軽い印象。耳穴に挿入すると金属らしい重量感はあるが、負担には感じない。意外だったのは装着感の良さ。耳にやさしくフィットし、適度な固定感も心地よく、これなら日常使いの範囲で脱落の心配はないだろう。イヤホン本体をつまむと、見た目よりも軽い印象だそして装着してから気づいたのが、各種状態を知らせるガイダンス音声の良さ。一般的なBluetoothイヤホンは英語だが、本機は日本語でわかりやすいのだ。ナチュラルな声色で適度な親近感も覚えるような、フレッシュかつ親切そうなトーンも実に心地よい。細かくいえば、音質も良い。良好な環境で収録したり、過度に圧縮しないなどのこだわりが窺い知れる。Category
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