コーポレート統括本部 人事本部 人財開発担当 下川桂(以下、下川)
コーポレート統括本部 人事本部 人財開発担当下川 桂
NTTデータでは、デジタル人財育成を戦略的に進めています。全3種類ある人財の中で、今回は「デジタル活用人財」にフォーカスを当ててお話しします。
デジタル活用とは、デジタルツールやソリューションを使いこなし、その過程で得られた気づきをビジネスに生かしていくことを言います。デジタル活用人財は、システム開発や営業として、お客さまに接しながら価値を提供する現場の社員を念頭に置いています。このデジタル活用人財を増やし、デジタル活用力を底上げすることは、NTTデータにとっても、競争力を高める上で重要な課題です。
しかし、最先端のデジタルツール活用ばかりがもとめられる現場というのは、実際にはそう多くはありません。新しいチャレンジをするにしても、現業を抱えながらデジタル活用を継続することは容易ではありません。今回は、ある組織の成功事例を紹介します。数々の大規模システムの開発を担ってきた、いわば「トラディショナル」な組織がどのようにして自らのビジネスをデジタル化し、全員参加でメンバーのデジタル活用力を高めたのか、具体的に紐解いていきます。
第一公共事業本部 第二公共事業部 企画統括部 営業企画担当 課長 金子武彦(以下、金子)第二公共事業部は約340名の社員が所属する事業部です。官公庁の大規模システムの開発を長年担ってきました。我々の組織もいわゆるトラディショナルな事業部だったと言えるでしょう。そのため最先端のデジタル技術を取り込むべきと思いつつも充分取り込めてはいませんでした。
しかし、世の中でDXが浸透するにつれ、お客さまからDXについての質問を受ける機会が増加します。メンバーは、自分なりのDX観でなんとなく話すなど、十分に対応できていない状況でした。事業部としても知識が不足しており、目指す方向性が統一できないといった課題を抱えていました。
下川その課題感を抱えたなか、なにがきっかけで大きく事態が動き始めたのでしょうか。
第一公共事業本部 第二公共事業部 企画統括部 営業企画担当 課長金子 武彦
金子ひとことで言えば、トップの決断です。事業部長自らがDX推進の旗を振り、プロジェクトチームを結成し、私を含めた3人で始動しました。そこで始めたイベントが「DXを考える会」です。このイベントは、第二公共事業部に必要な推進策を都度考えて実施するイベントでした。最初はDXを担うべき人財を50名程集めてワークショップとディスカッションを実施しました。この時のワークショップが、デジタルテクノロジ推進室が提供する「DXワークショップ」です。DXの本質を理解する上で非常に有益なワークショップでした。
下川そのデジタルテクノロジ推進室の責任者が、土井良さんですね。最初にこのお話があったとき、どう感じましたか。
技術革新統括本部システム技術本部デジタルテクノロジ推進室 部長 土井良篤志(以下、土井良)
技術革新統括本部システム技術本部デジタルテクノロジ推進室 部長土井良 篤志
我々のミッションは、技術部隊のフロント組織として、全事業部と連携してデジタル案件を創出し推進することです。事業部を支援し、一緒にDXを進め、デジタル活用人財を育てることは我々の使命と合致します。もし、NTTデータのなかでも比較的トラディショナルな第二公共事業部が変われば、NTTデータ全社が変わるかもしれない。そういった期待感も高かったですね。
第二公共事業部の社員と話したところ、DXは単純にデジタル技術を使うこと、という誤解があると分かりました。DXはデジタル・トランスフォーメーションの頭文字ですが、本当に重要なのは、トランスフォーメーション、つまり変革を起こす部分。まずは、この変革をおこすためのマインドや気風、仕事のやり方を変える必要がありました。
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