のんびりとマイペースで優雅な猫さん。家族の一員として共に生活をされている方も多いかと思います。元来群れを作らず単独で狩りを行う肉食動物な猫は犬に比べ一人で時間を過ごすことにも長けています。逆に見知らぬ場所や騒がしい場所が得意ではないため1泊程度であればペットホテルなどは利用せず置きエサをして留守番させる…という飼い主さんもいらっしゃいます。
ですが注意していただきたいのがお留守番環境です。帰宅したらケガをしていた、誤食してしまった形跡がある、何があったかわからないけれどぐったりしている、などの主訴で動物病院に飛び込むケースも少なくありません。
そこで今回はお留守番前に要チェック! 出かける前、愛猫にしてあげられるポイントをまとめてみました。
お留守番させるにあたって大切なのが食事です。猫さんの場合置きエサにしている方も多いかと思います。短時間であれば通常通りでかまいませんが半日以上家を空ける場合には少し多めに入れていきましょう。一気食いしてしまう子には決まった時間に餌を出してくれる自動給餌器がおすすめ。仮にトラブルがありその日に帰ってこられない場合を考えておくと安心です。実際に震災時などは置きエサで生き延びたペットが非常に多くいました。
また水分も重要です。こぼしてしまい飲めないまま長時間過ごしてしまうと脱水を起こしてしまいます。1か所だけではなく数か所に置いておくと理想的ですね。また猫さんは新鮮なお水を好むので長時間のお留守番の際は自動循環する水やり機を活用しましょう。
自動給餌器の中にはカメラ付きのものや、遠隔で操作が可能なものもありますのでお留守番のスタイルに合わせて使用してください。
涼しい場所を見つけるのが得意な猫さんですが、近年の猛暑は猫にとっても非常に危険です。この部屋は陰になっているから、と思っていると日差しの向きが変わり部屋の温度が上がってしまうことも。ケージや部屋など区切った空間でお留守番させる場合には日差しの向きや風の流れ、空調など適温になるよう注意しましょう。夏場は空調+扇風機などを活用してあげるといいかと思います。
部屋や自宅内を自由にさせる場合には誤食につながるものがないか、イタズラされて危険なものはないかよく確認しましょう。特に紐やビニールの誤食は猫さんにとても多いので、そういったものは開けられない戸棚の中にしまってください。またタバコの吸い殻やコンセントなどにも注意が必要です。
キッチンなどは猫さんからしてみれば魅力的なゾーン。万が一侵入してしまった時を考えガスコンロのお家はロックをかけておきましょう。引き出しなどは少しでも隙間があれば賢い猫さんは開けてしまいますのでしっかりと閉まっているか確認なさってくださいね。また熱いお鍋やフライパンがそのままになっていませんか? 火傷しないよう全て片付けておきましょう。イタズラ好きの猫さんはお留守番の間だけ広めのケージや、しっかりと片付けた一部屋に区切ってお留守番してもらいましょう。
当たり前のことですが戸締りはしっかりと行いましょう。玄関はもちろんですが裏口や窓にも要注意です。高層階のマンションだから…と窓を開けっぱなしにしているおうちは案外多いもの。猫さんにはフライングキャットシンドロームと言われる症候群があり高層階のベランダから飛び降りてしまう猫さんが後を絶ちません。詳しい要因は不明ですがやはり窓を開ける夏場に多く、動物看護師の筆者も幾度となく治療に当たったことがあります。
実際に帰宅してみたら外に倒れていた、といったケースも多いため留守番中はしっかりと窓を閉め、空調などで温度管理を行ってください。
お留守番上手な猫さんが多いかと思いますが、お留守番の環境をしっかり整えてあげることが飼い主の責務です。お出かけ前に今一度確認し愛猫の安全を守ってあげてくださいね。
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