スマートグラスはメガネの形状をしたウェアラブルデバイスだ。
スマートグラスは、スマートフォンとの連携を前提として、ディスプレイ、スピーカー、カメラ、マイクなどを搭載することで、様々な機能を果たす。
メガネにおけるレンズの部分に搭載されているディスプレイでは、ウェブサイトの閲覧はもちろん、YouTubeなどの動画コンテンツを鑑賞できる。メガネのつるの部分が骨伝導スピーカーになっているモデルでは、イヤフォンを装着せずに音を楽しむこともできる。
カメラを搭載していれば、見ている光景をそのまま画像や映像として収めることができる。スマートフォンを取り出して、カメラを立ち上げるまでに、シャッターを切りたいタイミングを逃すといったことがなくなる。
マイクを搭載していれば、ハンズフリーでの通話が可能だ。最近では、Amazonのアレクサと連携する機能を搭載しているモデルも出てきており、スマートフォンやスマートスピーカーに語りかけるのと同様、「アレクサ」と発声することで音声アシスタントへの指示が可能だ。
スマートグラスは業務用にも活用が進んでいる。例えば、工場で導入されているケースでは、作業員がスマートグラスを装着することで遠隔地にいる管理者と視覚を共有することが可能だ。視覚を共有していると、管理者が具体的に指示を出すことができる。
このように様々な機能を果たすスマートグラスだが、メガネと同様に長時間装着することが多い。しかし、気になるのはその「重さ」だ。メガネの平均的な重さは35グラムとされている一方、スマートグラスの重さは、60グラム~100グラムのモデルが多い。
このような中、2019年12月にボッシュは、普通のメガネをスマートグラスに変える世界初のソリューションとして、「Light Drive」を発表した。
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Light DriveはMEMS、光学部品、センサー、処理回路などを搭載する小型モジュールだ。スマートグラスだけでなく、通常のメガネにもLight Driveを搭載することで、スマート機能を実装可能となっている。
Light Driveの特徴は、スマートグラスの小型化を実現したり、あらゆる環境下でも画像を鮮明に映し出したり、通常のメガネにも搭載できるという点だ。
Light DriveはMEMS、光学部品、センサー、処理回路などを搭載する小型モジュールだ。このMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)というのは、電気回路と微細な機械構造を、一つの半導体基板上に集積させたデバイス(部品)を指す。
MEMSはMEMSを搭載する製品の小型・軽量、低消費電力、省資源、高性能を実現する目的で開発されたものだ。そのため、MEMS搭載のLight Driveは10g以下となっており、これまでスマートグラスのデザイナーを悩ませていた、大きくて、扱いにくいといった課題を解決する。
目の網膜に画像を直接投影することができるというのもLight Driveの特徴となっている。網膜に直接映すということは、周辺の環境に左右されず、高い色を表現できるということだ。そのため、昼夜問わず、また直射日光の下でも画像がくっきりと明るく見える。また、装着者の視力に依存しないというものメリットの1つとなっている。
ボッシュは、Light Driveは通常のメガネにも搭載できるため、同モジュールを搭載した製品は多くのユーザーに利用される可能性があると見込んでいる。
米国の光学産業のメーカーとサプライヤーを対象とした非営利の業界団体The Vision Councilによれば、世界の成人人口の約75%が視力矯正製品を使用しており、そのうち64%がメガネをかけているという。
そのため、ボッシュは10人中6人が毎日視力矯正レンズを使用していることから大きな市場になると見ているようだ。
これらの特徴を備えた上で、ナビ・電話・アラームやカレンダーの通知、WhatsApp や WeChat などのメッセージアプリ、ToDo リストや買い物リスト・日常的なメモアプリなどが利用できるようになっている。
石井 庸介現在、デジタルをビジネスに取り込むことで生まれる価値について研究中。特にロジスティクスに興味あり。IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。
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