ルイ・ヴィトンのスマートウォッチ「タンブール ホライゾン ライト・アップ」
ルイ・ヴィトンからスマートウォッチ「タンブール ホライゾン ライト・アップ」が発売になります。日本での価格は43万4,500円から。スマートウォッチとしては高価ですが、ルイ・ヴィトンの腕時計と考えればむしろ安いと言えるかもしれません。24個のLEDを内蔵しカラフルなライティングや文字盤のカスタマイズ機能など、他のスマートウォッチでは絶対に味わえない「ヴィトンのウェアラブル」体験を思う存分に堪能できます。【写真】ハイブランドメーカーのスマートウォッチの製品化は簡単なものではありませんが、ルイ・ヴィトンの世界観をしっかり再現していますスマートウォッチと言えばSuicaも使え、支払いにも利用できるApple Watchを思い浮かべる人が多いと思います。Apple以外からも多数のスマートウォッチが出ていますが、最近のトレンドは活動量計として健康状態の記録を強化し、スマートフォンとの連携は通知程度、電池容量の向上と本体デザインを高めた製品が増えています。Apple Watchが出てきたころは「いずれスマートウォッチだけで何でもできるようになる」という見方もされましたが、現実は多くのスマートウォッチが生体・健康データを常時取得する機能を強化する方向に動いています。最近ではファーウェイのスマートウォッチがデザインの良さと電池の持ちの長さから人気です。スマートウォッチの小さい画面でアプリを使うのには限界があり、たとえばUberは数年前にGoogle系のスマートウォッチのアプリを終了。最近になりApple Watchのアプリでは、起動すると「モバイルアプリに切り替えてください」と表示を出すようになったとのこと。「スマートウォッチでアプリが使えないと困る」というユーザーの数は実は多くない、ということなのでしょう。ルイ・ヴィトンのタンブール ホライゾン ライト・アップは独自のOSで動きますが、アプリを後から追加はできません。様々なライティング効果でカスタマイズできるほか、歩数や心拍数の計測、タイマーや音楽、Alipayといったプリインストールアプリの利用、さらにディスプレイを左にスワイプすると「My Travel」機能が起動し、ルイ・ヴィトン厳選の世界30都市のシティ・ガイドの表示や、旅行計画、搭乗券表示などができます。これらの情報は適宜アップデートされるでしょうが、閉じたOS内で様々な機能を楽しむことになります。アプリを入れて機能を増やす、というスマートウォッチではないわけです。タンブール ホライゾン ライト・アップはチップセットにクアルコムのSnapdragon Wear 4100を搭載、さらに心拍センサーなどを内蔵しています。今やスマートウォッチもチップセットとセンサーを組み合わせ、あとはOSを載せれば最近流行りの機能がある程度使えます。そのためルイ・ビトンのようなハイブランド企業でもスマートウォッチ参入の敷居は低いのです。とはいえブランドイメージに適合するだけの仕上げやデザイン、ユーザーインターフェースの搭載が必要ですから、ハイブランドメーカーのスマートウォッチの製品化は実は簡単なものではありません。ところでタンブール ホライゾン ライト・アップはAppleのMFi(Made for iPhone)認証を受けています。ルイ・ヴィトンほどではないにしろ、市場にはすでに多数のブランドモデルのスマートウォッチが販売されています。しかしiPhoneとの連携では機能が一部制限されている製品があるなど、選択肢を狭めていました。タンブール ホライゾン ライト・アップならMFi認証によりiPhoneでも不自由なく連携できますから、ブランド品のスマートウォッチが欲しいと考えている人でも安心して購入できます。Appleとしてもハイブランドのスマートウォッチに機能制限があっては、むしろiPhoneの魅力を下げるものになってしまいます。今後他のハイブランドからスマートウォッチが出てくれば、それらもMFi認証を取得した製品になるでしょう。好きなブランド品のバッグや財布を持ち、洋服を着ている人が、腕時計も同じブランドで統一できるようになるわけです。ファッションアイテムでもある腕時計、様々なメーカーやブランドのものがより自由に選べる時代がやってきそうです。
山根康宏
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